2023年5月5日、能登半島先端の珠洲市で震度6強を観測する地震が発生しました。当初、マグニチュード(M)は6.3と発表されましたが、現在は6.5に修正されています。7日正午の段階で、死者1名、負傷者33名と報告されています。
まずは被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
能登半島先端地域では、2020年12月頃から地震活動が活発化しており、2022年6月19日には最大震度6弱を観測した地震も発生しています(M5.4)。体に感じない小さな地震(マグニチュード1以上)は、これまでに14,000個以上発生しており、極めて激しい群発地震活動が続いていました。
国の地震予知研究でも、各種観測を集中的に実施しており、能登半島先端地域では地殻が隆起している事もわかっています。さらに電磁気学的な構造探査から、この隆起には流体(多分地殻深部からの地下水)が関与している事もわかってきました。
このような“水”が関与した群発地震の例として、最も顕著なものは、1965年8月から5年半続いた松代群発地震(長野県)だと思います。松代群発地震は、地震発光現象がきちんと写真として撮影されている事でも知られています。
能登半島周辺では、ここ300年ほどの間に3個の顕著な被害地震が発生していました。それらは以下に示す地震です。
1729年 能登・佐渡地震(亨保能登地震, M6.6-7.0)
現在の輪島市東部や能登半島先端で大きな被害とされている。
1993年 能登半島沖地震(M6.6)
沖合で発生したため、幸い死者は出なかった。負傷者30名、
全壊家屋1棟。
全壊家屋1棟。
2007年 能登半島地震(M6.9) 死者1名、負傷者356名を数えた。
能登半島で今後最も危惧される事
能登半島の群発地震は収束する気配がありません。今後も年単位で続くと予想されています。
能登半島で今後最も危惧される事
能登半島北部には、今回の群発地震活動の領域と2007年の能登半島地震との間に“割れ残り”が存在しています。近い将来(といっても10年後、20年後かもしれません)この割れ残りの部分でマグニチュード7程度の地震が発生する可能性が残されているのです。
地震における時間の流れ(地質学的な時間)と人間の時間スケールとがあまりにも違うため、地震にとっては10年は一瞬なのですが、過去の地震活動の解析だけでは、現時点でいつ次の地震が発生するかを精度良く言う事は極めて難しいのが実情です。
そのため、短期・直前予知の実現には、噴火予知と同じく”前兆現象”を捉える事が必要となるのです。
地震における時間の流れ(地質学的な時間)と人間の時間スケールとがあまりにも違うため、地震にとっては10年は一瞬なのですが、過去の地震活動の解析だけでは、現時点でいつ次の地震が発生するかを精度良く言う事は極めて難しいのが実情です。
そのため、短期・直前予知の実現には、噴火予知と同じく”前兆現象”を捉える事が必要となるのです。
能登半島の群発地震は収束する気配がありません。今後も年単位で続くと予想されています。
(文責:長尾年恭)
(広報委員会)
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。
また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。
しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。
本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので などでご確認ください。
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