
IIAE司会者による紹介
6月16日のIIAE(大気環境総合センター)の特別セミナーは、本NPO三浦理事長の「東京都心および富士山頂で測定した大気エアロゾル粒子の長期変動」と題して、1時間40分の講演と質疑応答を合わせた2時間にわたる充実したものでした。


講演のタイトルと目次
前半では、1980年代の神楽坂・理科大キャンパスの観測や、観測船上での海洋大気の観測に始まり、

IIAE太田幸雄先生(当時北大教授)も参加されたACE Asiaプロジェクト
IIAEの関係者にも懐かしいACE-Asiaプロジェクトの話など、三浦理事長の研究史が、エピソードを含めて詳しく語られました。
後半は富士山頂と東京スカイツリー(458m)における新粒子生成、雲生成についてのお話でした。山岳大気については、初めて山頂へ行った「霧で何も見えなかった」導入から、理科大に「山岳大気研究部門」を立ち上げて、積極的に山岳大気研究を始め、多くの学生を育てたこと、

2004年8月の測候所前(霧の中で何も見えなかった)
また新粒子生成については、2006年~2019年の富士山頂、太郎坊などのデータを纏め、ユングフラウ観測所など世界の山岳データとの比較検討し、夜間の新粒子生成は富士山頂に固有の現象であること、その原因などについてのお話でした。(表)
最後にエアロゾル濃度は粒子の大きさ、高度に関わらず減っていること。そのためエアロゾルの冷却効果が弱くなるのでより厳しい温暖化抑制政策が必要になること。今後もエアロゾル濃度の測定が重要であることが話されました。(図1)


図1 富士山頂3776m(上)、東京スカイツリー458m(下)で測定した粒子濃度の変化
山頂の濃度は14年間で約1/3, スカイツリーの濃度は3年間で約1/3に減少している
図2 東京理科大学(新宿区神楽坂)で測定したエアロゾルの光学的厚さ(気柱濃度)の変化
2006年頃に急激に減少した。
現在は、東京理科大嘱託教授と富士山環境研究センター・シニアリサーチフェローとして研究を続け、本NPOの理事長の重責も勤めています。
(広報委員会)2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。
また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。
しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。
本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので などでご確認ください。
ご寄付に関しては、控除もありますので などでご確認ください。
コメント