太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

昨年末の噴火で、道路と電源ケーブルが使えなくなって苦戦しているマウナロア観測所については
本ブログでもご紹介(1月12日1月23日)しましたが、その後どうなったでしょうか?
以下は、7月初旬に現地を訪ねた富士山環境研究センターの小山朋子特任研究員の投稿です。

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  溶岩の間を蛇行しているアクセス道路

夏休みに富士山に登る方は多いと思いますが、ハワイ旅行を計画されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ハワイ島マウナロア火山の北側、標高3397メートルの位置にNOAA (アメリカ大気海洋庁) 管轄のマウナ・ロア観測所があります。NOAAはアラスカ、カリフォルニア、アメリカンサモア、グリーンランド、南極でも同様の観測をしており、世界各国の気候科学者にとって不可欠なデータとなっています。
地球温暖化関連記事に載っている二酸化炭素濃度の年々変化のグラフは、マウナ・ロア観測所の観測がベースになっています。
この観測所のキーパーソンであるラス・シュネル博士には、当NPO設立時から貢献いただいており、我々NPOメンバーが親しみを感じる観測所でもあるのです。ハワイ諸島が大陸から3000km以上も離れていて、高所のため地上の影響を受けにくいという特徴は、富士山測候所の特徴によく似ています。

マウナ・ロア観測所へのアクセスはその名も「マウナ・ロア・オブザーバトリー・ロード」を辿っていくのですが、2022年11月27日から始まった溶岩流によって一部不通となり、観測所への電力供給も絶たれてしまいました。温暖化ガスの観測は近くに設置された一時観測所で継続されています。

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    マウナ・ロア・オブザーバトリー・ロードから臨むマウナ・ロア山

さて、そのアクセス道路がどんな感じか気になって、ハワイ島訪問ついでに寄ってみました。
ハワイ島を東西に走る州道200号線「ダニエル・K・イノウエ・ハイウェイ」(旧名サドル・ロード)をコナ地区からヒロ方面に向かって進むと左手にマウナ・ケア、右手にマウナ・ロアを見ることが出来ます。
マウナ・ロア・オブザーバトリー・ロードに入ると舗装はされていますが、道は細く両脇は溶岩がむき出しになっていて慎重に進まないといけません。見渡す限り溶岩ですが、少しドライブすると白い建造物らしき物が見えました。
レンタカーで不通になっているポイントまで行くのは危険だと判断し、早々に引き返すことにしました。それでもマウナ・ロア観測所に勤務されている方々のご苦労を垣間見たような気がしました。

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  ガサガサとした形状の溶岩がどこまでも広がる

富士山環境研究センター特任研究員 小山朋子



以上、小山特任研究員のブログをご紹介しました。


(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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