10月5日と9日に極めて珍しい津波注意報発令が続きました。
八丈島の南方340-370kmの鳥島周辺海域で、10月2日以降、かなり大規模な群発地震が発生しています。特に3日以降は、連続でマグニチュード6以上の地震が発生するという極めて異例の事態です。特に10月5日、午前11時頃に発生した地震の後に、伊豆諸島に津波注意報が発令され、驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
10月5日に突然発表された津波注意報
この地震は、陸地(この場合、八丈島や青ヶ島)から300km以上離れている事から、有感地震となりませんでした。ちなみに最も近くにはアホウドリの繁殖地として有名な鳥島がありますが、ここは無人島で震度計が設置されていません。つまり震度が計測されるためには、その場所に陸地があり、震度計等が存在する必要があるのです。
もし同程度の地震活動が日本の内陸で発生したとしたら、震度6弱や6強の揺れとなるはずで、大騒ぎとなるレベルの地震活動なのです。幸い陸域から遠い所で発生したため、今の所津波注意報が1回で済んでいますが、周辺海域では、1977年にはマグニチュード6.9、2006年にはマグニチュード6.8という10月5日の地震の規模を上回る地震が発生しています。
上記のようなマグニチュード7前後の地震が発生しますと、陸地で観測される震度は1とか2というものでも、今回と異なり、津波警報が発令される可能性があります。
1960年から2023年9月迄に発生したマグニチュード6.5以上の地震
1977年や2006年にはマグニチュード7近くの地震が発生していた
さらに10月9日には、やはり突然八丈島で60cmの津波が観測され、慌てて太平洋岸の広い範囲に津波注意報が発令されました。
津波注意報や警報は、地震が観測され、震源位置とマグニチュードおよびそのメカニズム(どのように地殻が割れたか)を数分以内に決定して、発令されます。
今回の津波注意報はそれとは全く異なり、実際に津波が観測されたので、ある意味慌てて気象庁は津波注意報を出したのです。
10月16日の時点でも、はたして通常の地震に比較して、特に大きな津波を発生する「津波地震」であったのか、海底地滑り等の地震以外の原因によるものかわかっていません。
今後の気象庁や各大学の解析結果を待ちたいと思います。
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
今後の気象庁や各大学の解析結果を待ちたいと思います。
(文責:長尾年恭)
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
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