2024年は元旦の能登半島地震というとんでもない内陸活断層型の地震発生という事件から始まりました。被害に遭われた方の復興を願うばかりです。
能登半島は周辺を海に囲まれていますが、基本的には”陸”の地殻構造となっています。前回のブログで、これまで最大と言われていた 1891年の濃尾地震とほぼ同じ規模の地震であった事をお伝えしましたが、能登半島地震はプレート沈み込みに起因する地震(東日本大震災や、南海トラフの巨大地震、関東大震災等の震災を引き起こした地震)以外では、最大級の地震であったという事なのです。
次の図は2023年に発生したマグニチュード(M)6以上の地震をすべて図示しました。全部で18個が 発生しましたが、そのうちの5個が M6.5以上を記録しました。これら5個については図中に発生日時等の情報を記載しています。

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2023年5月5日には、能登半島で M6.5の地震が発生し、最大震度6強を記録しました。さらに12月28日 には択捉島沖で M6.6の地震が発生していますが、これはプレート境界の沈み込みに伴う地震のため、 結果として5月5日の能登の地震が昨年最大の内陸地震となりました。
2023年の特徴として、フィリピン海プレートの内部で地震活動が活発であった事かもしれません。特に10月には、M6クラスの地震が頻発し、突然の津波注意報が発令されるといった事件がありました。こ れらの地震は火山活動と関係している事もわかってきました。特殊な噴火が海底で発生し、地震の規模に比較して、大きな津波が発生した事が解明されつつあります。

次の図は2000年から2023年に発生した M6.5以上の地震の一年ごとの発生数です。

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2011年は東日本大震災が発生したため、非常に地震活動が活発であった訳ですが、それ以外の年には消長はありますが、特にどの年の地震活動が活発であったという事では無いように見えます。
これは台湾や北方領土といった、かなり広い領域について解析しているためで、2000年には三宅島の噴火をはじめとする激しい群発地震活動がありましたし、2016年には熊本地震が発生しています。2024年がどのような 年になるかはわかりませんが、能登半島地震という過去最大級の内陸活断層型地震の発生は、まさに南海トラフの巨大地震に向けた中長期の前駆的な地震活動の始まりと言えるのではないかと考えています。

それでは小さな地震を含めて2023年の地震活動を振り返ってみましょう。次の図は気象庁が観測したマグニチュード2以上で深さ300kmまでに発生したすべての地震をプロットしてあります。色の違いが地震発生の深さの違いを意味しています。
この図の中には24,128個の地震が図示されています。つまりマグニチュード2以上の地震は一日あたり平均して60個から70個も発生しているのです。地震というものは小さな地震ほど沢山発生しているという事をまず知って頂ければと思います。

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(文責:長尾年恭)


(広報委員会)

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