2月20日、火山噴火予知連絡会の定例会合が開催され、熊本県の阿蘇山や北海道の駒ヶ岳について、火山活動の高まりが見られるとしたうえで、阿蘇山については中岳第一火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとする評価結果をまとめました。
熊本県の阿蘇山は去年12月ごろから火山活動の高まりがみられ、衛星からの測定で地下深くのマグマだまりにマグマの蓄積が進んでいることを示すデータが確認されたということです。さらに火山ガスの一日当たりの放出量は、去年12月が500トンであっったものが、先月以降は1000トンから2000トンに増えているとの事です。
北海道の駒ヶ岳は去年12月から山頂の火口付近の浅いところを震源とする地震が発生しており、火口付近の膨張を示す地殻変動が観測されているそうです。
富士山については特にコメントは出なかったようですが、箱根山については、「大涌谷の火口域では、活発な噴気活動が続いているため、火山灰などの突発的な噴出現象に注意が必要」との見解を示しています。
それとは別に2月14日、福岡管区気象台から大分県別府市の鶴見岳で火山性地震を観測したと発表がありました。現在の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)ですが、今後地震が増加するなど火山活動が高まった場合はレベル2(火口周辺規制)に引き上げる可能性があるとしています。気象台によると、13日午後8時52分と同9時2分に、鶴見岳の浅い場所を震源とする振幅の大きな火山性地震が観測されたそうで、14日から気象庁機動調査班が現地調査を開始したとの事です。
鶴見岳は歴史時代の噴火記録はありませんが、日本の111個の活火山のひとつに数えられています。もちろん近くには阿蘇山もあり、火山活動が活発になってもおかしくはありませんが、改めて日本が火山国である事を思い出させる事件かもしれません。
特に鶴見岳は、市街地に近く、火山噴出物からなる脆弱な地質であり,土砂災害の危険性が高い地域が数多く点在します。ちなみに2006年には由布岳・鶴見岳・伽藍岳火山防災マップが作成され,住民に配布されました。
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