太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2014年の山岳大気化学物理シンポジウムの主催地だった、コロラド州、Steamboat SpringsのStorm Peak Laboratory(SPL)のGannet Haller所長(2019年の本NPOの富士山環境研究センター発足時には英文名称でお世話になりました)から、
「今年も、降雪のプロジェクトでSPLは大忙しです」という新年のメールを頂きました。

メールに添付されていたウィスコンシン大学マディソン校大気海洋科学科のプレスリリース記事(https://www.aos.wisc.edu/news/S2noCliME%20Press%20Release/)を元に、プロジェクトの概要を意訳してご紹介します。

〜〜〜
記事のタイトルは「New Field Campaign to Study Snow Processes at Remote Mountain Laboratory in Colorado:コロラド州の遠隔山岳サイトにおける雪生成プロセスに関する野外集中観測」です。

全米科学財団(NSF)が資金を提供する「Snow Sensitivity to Clouds in a Mountain Environment (S2noCliME):山岳環境における雲に対する雪の感受性」という新しいフィールド・キャンペーンで、ウィスコンシン大学マディソン校大気海洋科学科(Atmospheric Oceanic Sciences: AOS)のAngela Rowe(アンジェラ・ロウ)教授が、この研究の主任研究者の一人です。
アンナ・ルー教授
 AOS の アンジェラ・ロウ教授、2020年コロラドにて(プレスリリース記事より)

米国西部山岳地帯は温暖化が進み、積雪量全体の減少、低標高の積雪面積の減少、雪面への降雨の増加が見られていますが、この地域の降水量の予測はまだ確立されていないため、山岳地域における雲と降水プロセスの理解と予測を改善することが必要です。
内陸山脈の降雪プロセスの変動を観測することで、気象レーダーから降雪の特性を推測する能力を向上させます。これは周辺地域の水資源の管理に重要な知見となります。

2024-25年の冬のシーズン中、研究者たちはコロラド州SPL研究所に、地上観測、リモートセンシング、現地(雲中)観測を組み合わせた観測装置を配備します。ワーナー山の頂上に位置するこの研究所は、データ収集のためのユニークなサイトです。

歴史的に、この種の研究のほとんどは、雲をサンプリングするために雲プローブ計測器を装備した航空機を使用してきましたが、莫大な費用がかかります。SPL研究所では、雲に覆われがちな場所に計測器を設置することで、長時間の観測を可能にし、雲の中で起きていることと、地上に降ったり積もったりする雪の特性について統計的な研究が可能です。

このプロジェクトには山岳研究が初めての多くの若い研究者たちが加わります。AOSのAnkur Desai氏は「SPLにおけるAOSの新しい歴史の一章になるでしょう。Rowe教授の才能と参加学生たちのチームの将来性に期待している」と、今プロジェクトの成功を楽しみにしています。

なお、このプロジェクトの準備は2024年の夏から始まり、2024年12月1日に正式にスタートしています。
〜〜〜

ACPM2014(当時はACP)に参加したときには、理想的な山岳研究施設と思われたSPLもその後の政権交代などの影響を受けて、所長のGannet Haller博士も苦労されたようですが、新しいプロジェクトで張り切っておられる様子を頼もしく思います。
今後も注目してゆきたいですね。
(広報委員会)

***************************
富士山測候所を活用する会では、ウェブサイトにて寄付を募っています。主旨や活動にご賛同いただけましたら、ぜひご支援をお願いします。

また、会員を募集しています。
会員特典として、会報誌『芙蓉の新風』(年1回発行)の送付、富士山頂郵便局スタンプ付きの暑中見舞いをお送りするなどの他、ウェブサイトの会員限定ページでは、山頂からのライブカメラ画像のアーカイブをはじめとするコンテンツをご覧いただくことができます。

ご寄附はこちらからお願いします
※ 銀行振込、クレジットカード、PayPal、その他(SoftBank、Tポイント)がご使用できます

ご入会はこちらからお願いします

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

↑このページのトップヘ