高校生スプライト研究会:未知なる空の探求者たち

雷雲の上空で一瞬だけ輝く神秘的な光「スプライト」。この高高度放電発光現象を研究する全国の高校生と研究者が集う「高高度放電発光現象研究会」が、2025年3月8日~9日に静岡県総合研修所もくせい会館で開催されました。





スプライトは雷雲の上空40~90kmの高度で発生する一時的な発光現象です。1920年に予言されながらも、実際に確認されたのは1989年と比較的最近のこと。肉眼では捉えにくく、高感度カメラや特殊な観測機器が必要なため、神秘的な現象として研究が続いています。

 NHKスペシャル 宇宙の渚より
今回の研究会開催には、本NPO副理事長の静岡県立大学グローバル地域センターの鴨川仁特任教授が深く関わっています。その関係で研究会と富士山頂での観測活動が連携しています。富士山頂は標高3,776mという高さと雲海の上にあるという立地から、スプライト観測に最適な場所です。この研究会を経験した高校生の中には、大学進学時も富士山頂での観測研究に参加するケースもあります。

高校生と研究者の連携

研究会は高知工科大学の山本真行教授の呼びかけにより2006年に始まり、約20年の歴史があります。全国のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている高校の生徒たちが、各地での観測データを持ち寄り、研究者の指導を受けながら分析を行います。

高校生たちの「多点観測」によって得られるデータは、研究者にとっても貴重な資料になっています。これまでの研究成果は日本地球惑星科学連合年次大会での受賞や、NHKスペシャル『宇宙の渚』での紹介など、広く認められています。

今回の研究会の様子は、令和7年3月9日付の静岡新聞朝刊に「全国の高校生と大学研究者集う」という見出しで掲載されました。磐田南高校地学部の生徒の発表の様子や研究会の意義が紹介されています。

令和7年3月9日付の静岡新聞朝刊より
また、3月13日放送NHK静岡の情報番組「たっぷり静岡」の気象コーナーでも、キャスターの伊藤麻衣さんがこの研究会について取り上げ、神秘的な発光現象をわかりやすく視聴者に紹介しました。





 NHK静岡「たっぷり静岡」より

(広報委員会)
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