7-SEASワークショップに続き、2026年7月16日から17日にかけて、台湾の鹿林山大気背景観測所(Lulin Atmospheric Background Station: LABS)や周辺の現地視察に参加してまいりましたので、その様子をご紹介いたします。
阿里山から鹿林山へ
視察は台北から嘉義へ台湾高速鉄道、そして大型バスに乗り換えて阿里山方面へ向かうところから始まりました。阿里山では茶農園の現場や、阿里山森林生態系管理エリアを見学。阿里山の豊かな自然が育むお茶や景観を楽しみつつ、台湾が山でできた島であるという地理的な背景が実感できました。阿里山レクリエーションエリア内のホテルに宿泊し、翌日いよいよ鹿林山観測所へと向かいます。
写真:阿里山地域の景観(撮影:村田理事)
標高2,800mを超える観測施設へ
鹿林山大気背景観測所は、玉山国家公園内の標高約2,862mに位置する台湾を代表する高所大気観測拠点です。当日はシャトルバンで登った後、さらに山道を徒歩で登って観測施設に到着しました。
写真:観測所の前で。左は富山大・青木教授(台湾・国立中央大の学生さん撮影)
現地では研究者による案内のもと、観測施設や機器を見学し、技術的な説明を受けました。20年間にわたり観測を継続してきた運営体制やメンテナンスの工夫を間近で見ることができ、富士山測候所の今後の活動にも通じるヒントを多く得ることができました。
富士山との大きな違いは、標高が富士山よりは低いため、午後から完全に雲の中に入ることです。このため、午後からのエアロゾルの観測は難しくなると同時に面白くなるという話がありました。また、エアロゾルや水銀など国際的な大気モニタリングネットワークに参画していることも特徴で、各国と連携した測器が多くみられました。
写真:野外設置測器の説明の様子(撮影:村田理事)
写真:山頂の天文台の望遠鏡も見学させていただきました(撮影:村田理事)
おわりに
観測所を後にした一行は塔塔加ビジターセンターを経由し、台中の国立台中歌劇院を見学したのち、台北へと戻り、今回の日程を終えました。
現地視察では、台湾の先生方・学生さん方は常に細かい気配りをしてくださり、おもてなしの手厚さに感激した旅でした。また、同行した海外の研究者たちも皆気さくで楽しい方達ばかりだったのが心に残っています。
現地の観測所を実際に自分の目で見ることで、資料や発表だけでは伝わらない運営の工夫や苦労を知ることができました。今回得られた知見を、富士山測候所での今後の活動や台湾のグループとの将来の共同研究などにも生かしてまいりたいと思います。
(広報委員会)
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