太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2022年07月

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  2022年7月20日 岩崎洋山頂班長撮影

2022年7月20日のご来光です。
「風もなく気温もまあ暖かい感じでしたが、ご来光の時間には山頂に一人。一寸遅れて登ってくる登山者がちらほら見えます」


7月20日 大河内博副理事長グループ、和田龍一理事グループも上山。大気化学の研究が始まりました。
この日は夕日も美しく長門班長からビデオも送られてきました。
220720夕日
 220720 長門敬明山頂班長撮影のビデオより

7月21日
大河内副理事長グループの皆己幸也理事ほか3名上山。大河内副理事長、和田理事と入れ替わりました。
蜂ー5
蜂―1
蜂ー4

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  2022年7月21日 岩崎洋山頂班長撮影(一つの個体をいろいろな角度から)

21日(木)山頂の岩崎班長から「本日山頂で黄色スズメバチ?を見かけました。今まで見かけたことが無かったので黄色スズメバチかどうか確認を取りたいのですがお願いできますか。まあ、上昇気流に乗ってきたものと思われますが、実際に山頂付近に居たので、刺される可能性もあると思います。若し黄色スズメバチなら対策を考えておかないといけません。」というチャットが入りました。上の写真は色々な角度から写した写真です。

早速、先日の神奈川県立博物館の
渡辺 恭平 先生に問い合わせたところ、「キイロスズメバチです」との情報を頂きました。

山頂へ行かれる方は、くれぐれもご注意ください。


7月22日早朝、7時33分突然の落雷で停電。商用電源断(7時35分)発動発電機(発々)に切り替え(8時10分)、商用電源が復活したのは8時27分です。(なお、落雷は合計3回あったようです)

この間山頂は一時真っ暗で電源もなく、強風と雷雨の中でした。

220722雷イメージ
画像はイメージ(220722、7:33)

早朝の停電騒ぎの後、加藤俊吾理事グループ上山、研究スタート。山頂班の交代もあり、増本亮班長が下山(6月のスタートから、7月初めの一時下山も含めて長い山頂勤務お疲れ様でした)、千田敦司班員が上山。加藤理事の研究内容は夏季観測ページをご参照ください。


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 2022年7月22日、山頂千田班員撮影
夕方は強風の中、千田班員の夕方の景色です。
220722夕陽
220722夕陽(長門敬明班長のビデオより)

本格的な登山シーズンも始まったようで、登山者も増えています。
観測研究もいよいよ本格的になってきました。

(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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2022年7月25日(月)朝起きて、、、
テレビをつけたら
なんと本NPO理事の長尾先生が・・・・

2023年7月24日
20時8分ごろ、
鹿児島県桜島が噴火しました。
TV出演は、その関連のお話でした。


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現地では噴火警戒レベルが5まで引き上げられています。

なお、本NPOにとっては、
このニュースで2013年の噴火の影響を
富士山で観測したブログ(加藤俊理事の研究)を思い出しています。


無題

富士山で観測したブログ(加藤俊理事の研究)


 2013年の8月21日午後2時ごろ、
富士山頂でSO2濃度を観測中だった
加藤理事より
急にSO2濃度のピークが
上がり始めたとの連絡が
本NPOの研究者の間で情報共有されました。

実は、3日前の
2013年の8月18日16時31分に
桜島の大噴火があり、
大気化学研究者の間では
もしかして・・・
その影響かもしれないのでは?と推測しておりました。


気象データを用いた
後方(および前方)流跡線解析を元に
結論は、、、、
桜島起源とわかりました。
SO2濃度以外にも影響が出ていました。

当時は、セミリアルタイム公開で、
次の日にならないとデータの取得が難しかったのですが、
現在は、リアルタイムで遠隔地からチェックできます。

今年も山頂では加藤理事の装置は稼働中!

ところが、冷静な加藤理事からは

桜島噴火のご連絡ありがとうございます。

フォワードトラジェクトリー(前方流跡線)を簡単に計算してみました。

ある程度の高度のもの(緑)は南のほうへ運ばれているようです。」

と下図がおくられてきました。


220727加藤先生トラジェクトリー

今回は噴煙高度が2200mと、
2013年より低かったこともあって、いまのところ
富士山まで噴煙が到達することはなさそうです

(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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 2022年7月12日、岩崎山頂班長撮影

今朝も雲海で高曇り、「斜面から這い上がってきた雲は火口の上まで来ると一時動きを止めて何処に行くでもなくただよいます。その姿は舞い踊る木花咲耶姫命の羽衣のようです。」
山頂の天気が崩れる直前に岩崎班長からです。

今日は雲海で日差しがあるときは暖かかったのですが被ったとたんに寒くなりました。
長門班長は15日の荷上げ荷下げ時、馬の背が心配なので
登山道の補修を。
増本班長は彼方此方痛んだ庁舎の補修、大工仕事に余念がありません。
私はいつもの通りで雑用係、昨日から気象庁が来ていたので管財の対応、
今日の荷下げの相談等結構忙しかったです。
夏に3号庁舎基礎部分の工事が入るのでその準備段取りも結構色々あります。
まあ下界に居るより、此処の方が落ち着いてよいですが・・・
 岩崎班長のチャットから、平常時の山頂の様子を少しご紹介しました。

ところで、前回のブログの、名前のわからなかったムシ(下記)については、

ジョウザンオナガバチ

『写真の蜂はジョウザンオナガバチRhyssa amoena Gravenhorst, 1829で間違いありません。富士山の山頂でも採集されるのですね。ヨーロッパから日本まで広く分布している理由が見えた気がいたします。
渡辺 恭平  / Kyohei WATANABE Ph. D.
神奈川県立生命の星・地球博物館 主任学芸員』
というメールを、ムシ博士の友人(渡辺崇氏)経由で頂きました。
なお、

ヒメバチ

「追加の写真のハチは角度が悪く、ヒメバチだとは思いますが、それ以上はわかりません」とのことです。同定に参加して下さった二人の渡辺様本当に有難うございます。

三連休に入りましたが、山の天気は下り坂

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「元祖7合目まで来ました。雨はなく、霧の中という感じです」

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「結構雨が降ってきて、気力が折れそうです」

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「13:30ごろ測候所につきました。雨、風、霰、雷、寒さのオンパレードでかなりきつかったです。多分、上の写真の残雪は9合目くらいだったと思います」
以上は 7月16日、早朝から静岡県立大の鈴木智幸研究員と徒歩登山した埼玉県環境科学国際センターの村田浩太郎さんの報告と写真です。山頂では鴨川専務理事と雷グループの設置する装置や仕事が沢山待っていたようです。
幸い、17,18日はお天気は回復して仕事は捗ったようです。

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「8合目です。今日はすごくよい下山日和です」

忙しい2日間の研究と装置設置作業が終わり、18日午後無事下山。お疲れ様でした。
なお、村田さんの研究については夏期観測ページを参照してください。


(広報委員会)

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また
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しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

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カリフォルニア大学David Smith先生がブログを書いてくださいました。


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カリフォルニア大学サンタクルーズ校の私たちの研究グループは、雷からのガンマ線を研究しています。
まれに見る強力な地上ガンマ線フラッシュは、ほんの数秒のうちに狭い範囲に大量の放射線を発生させます。
しかし、私たちの住むアメリカではほとんど雷が発生しないので、世界中を回って研究しています。
日本には強力な雷雨があり、また研究者の専門知識も素晴らしいので、日本にやってきました。
ホストファミリーの鴨川センセイは、冬は石川県、夏は富士山の頂上まで放射線検出器を運んでくれます。

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こちらが、私たちの最新機器「THOR」です。
2枚目の写真は、その内部の様子です。非常に大きなものから小さなものまで、4つの検出器があります。 放射線が強すぎて大きな検出器に負担がかかっても、小さな検出器が状況を教えてくれるのです。

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地球上のガンマ線に襲われたとき、THORはこのような映像を映し出します。

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時間の単位はミリ秒なので、全体の時間は約2000万分の1秒しかありません。小さなスパイクはガンマ線(非常に高エネルギーの光の粒子)を表しています。
雷が光る前後にはほとんどありませんが、光っている最中には非常に多くのガンマ線が発生し、それが重なり合っています。
今回はTGFの発生源から2kmのところにいましたが、もし私たちが小型飛行機で上空に行き、このTGFが発生している場所の真ん中を飛んだら、計器は完全に麻痺し、人間は病気になるほどの放射線を浴びることになるでしょう。
このTGFは冬の石川県の海岸で観測されたものですが、夏の富士山頂でも観測されるのかどうか、なぜこのような現象が起きるのか、人や飛行機にどのような影響があるのかを解明したいと考えています。


最初の写真は、2021年にアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズで開催されたアメリカ地球物理学連合の会議に参加した私たちの研究グループです。
鴨川センセイをはじめ、現地のチームの皆さんに感謝しつつ、私たちもFuji-sanの山頂で一緒に冒険できたらと思います。


原文…

Our research group from the University of California, Santa Cruz studies gamma-radiation from lightning, including rare but powerful terrestrial gamma-ray flashes that can produce large amounts of radiation in a small area within a tiny fraction of a second.  But there is almost no lightning in our part of the United States, so we take our research around the world.  We came to Japan because of the powerful thunderstorms it experiences, and the impressive expertise of its researchers.   Our host, Kamogawa-sensei, brings our radiation detectors to the Ishikawa Prefecture in winter and to the top of Fuji-san in summer.

 Here you see our newest instrument, called THOR.   The second photo shows what it looks like on the inside.   There are 4 detectors, ranging from very big to very small.  When the radiation is so powerful that the large detectors are overwhelmed, the small ones can still show us what is going on. 

When we are hit by a terrestrial gamma-ray flash, THOR shows us something like this:

Here we have time going from left to right; the units of time are milliseconds, so the whole event lasts only about 20 millionths of a second.    Every little spike represents a gamma-ray (an extremely energetic particle of light).  Before and after the lightning flash, there are very few; but during the flash there are so many that they pile up on top of each other.   Here we were 2km from the TGF source; but if we were up in the sky in a small airplane and flew right in the middle of where this TGF was produced, our instrument would be completely paralzyed and a human could receive enough radiation to become sick.    This TGF was seen on the coast in Ishikawa Prefecture in winter;  we hope to learn if they can also be seen atop Fuji-san in summer, to help us understand why these events happen and how they might affect people and aircraft.

Here is our research group, shown attending the American Geophysical Union meeting in New Orleans, Louisiana, USA in 2021.  We are grateful to Kamogawa-sensei and the whole team there, and we all wish we could have the adventure of joining them at the summit of Fuji-san!


(広報委員会)

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また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

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影富士

朝日 (1)
  2022年7月6日 横山勝丘山頂班長撮影

7月8日 山頂から「今朝は4:00 2,4度、北の風 湿度100%寒い朝でした。もう直ぐブル出発です。」と岩崎班長からのチャットです。
横山班長、鳴海玄希班員、佐藤裕介班員が下山(大量の荷物搬入お疲れ様でした!)、長門敬明班長と増本亮班長が上山で、6日から山頂の岩崎班長と合流して、3人体制になりました。前半の大量機材の搬入がおわり、通常の山頂管理体制への移行です。

7月9日  「4:00で3,1度、風も収まって来て静かな朝でした。
   今朝は雲海で高曇り、登山者も少なく静かでした。」
   岩崎班長からです。


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 2022年7月9日、岩崎洋山頂班長撮影

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   2022年7月9日 岩崎班長撮影

「山頂の植物や苔類も緑濃くなって夏の訪れを感じさせます。」
例年、岩崎班長は早朝お鉢周りをして、動植物などもふくめた、登山道の現状を記録しています。
御存知のように富士山頂には植物は定着していませんが、
毎夏、同じ苔とイネ科の植物が同じ場所に見られるようです。
山頂直下、短い夏に命を燃やす草イワスゲかコタヌキラン(7.30)
    2017年7月30日山頂班撮影

場所は違いますが、このイネ科の植物と同じものかもしれません。
「毎年同じ場所に生えてきます。少しづつ気持ち大きくなっているようです」
と岩崎班長。2007年からの変化は興味深いですね。

7月10日 「お早う御座います。山頂は被っていて弱い霧雨。登山者はちらほら見えます。」

むし
2022年7月11日 剣ケ峯で(岩崎山頂班長撮影)

ムシ
   2022年7月11日 仮設庁舎で(岩崎山頂班長撮影)

「今夏は暖かいせいか、虫が多いです。」岩崎山頂班長からです(7月11日)

ムシの名前については、知り合いの「ムシ博士」に問合わせ中ですが、お分かりの方はご連絡いただけると有難いです。
このように、山頂から植物や、動物などの情報が来るようになりました。(毎日の忙しい仕事の合間に送られる山頂班の皆さんに感謝です!)
これまでの纏めはウェブサイトの英文の部分にいれていますが、今年もまた増やせそうで楽しみです。

(広報委員会)

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また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


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