太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2022年10月

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10月16日の午前9時前に見た酔芙蓉です(少しほろ酔いでしょうか?夕方には花全体がピンクになっていました)

今年も芙蓉の季節が終わりかけています。ところで芙蓉ってどんな花でしょう。
Wikipedia によると
フヨウ(芙蓉、Hibiscus mutabilis)は、アオイ科フヨウ属の落葉低木。種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意。「芙蓉」はハスの美称でもあることから、とくに区別する際には「木芙蓉」(もくふよう)とも呼ばれる。

酔芙蓉は木芙蓉の一種です。
別の日に朝から同じ花を追いかけてみましたが…

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10月20日6時

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10月20日12時

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10月20日16時

「木芙蓉」のほとんどの花は一日中ピンク色の芙蓉が占めており、夏~秋の花です。

芙蓉(9月11日)
 一般的な木芙蓉(2022.9.11)

古来、富士山は「芙蓉峰」と呼ばれていました。
この場合、芙蓉はハス(仏が座る八枚の弁を持つ蓮華座)と考えられています。
富士山は長く信仰の対象とされてきましたが、富士山頂部には「八葉」と呼ばれる八つの峰があります。それが、花弁に例えられていました。
明治時代の神仏分離令の影響を受け、富士山においても廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動が起こり、富士山中の仏教系地名が神道系の名称に変えられました。
現在「お鉢巡り」と呼んでいる火口の周りを一周することも、この八葉の峰をめぐる「お八めぐり」が転化したものと考えられています。

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 ハスの花

このあたりの詳しい事情は梶山沙織氏の「富士山頂の信仰世界」(『日本一の高所・富士山頂は宝の山』、しずおかの文化新書21,2016)に詳しいのでご参照ください。

したがって、芙蓉峰の「芙蓉」はハスの花です。
野中至(到)・千代子資料館に収められている
『芙蓉日記』(野中千代子著)の「芙蓉」もハスのイメージと考えられます。

ところで、本NPOも年報は「芙蓉の新風」ですが、
どちらの芙蓉をイメージするでしょうか?
会員や読者のみなさまのご意見を伺いたいところです。

(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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こんにちは。
お手伝いをさせて頂いております
ボランティアスタッフのMです。

事務局に届いた
秋🍁×富士山🗻のお写真を2枚
ご紹介いたします。

まずは1枚目、
素敵な羊羹の写真を頂きました。

お馴染みのMさんからですが、
U先生が山梨から買ってこられたとか。
葡萄味だそうです。

と、土器屋理事からのチャットです。

秋と言えば・・・
「食欲の秋!」
見事な富士山が描かれている羊羹です!

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続いて2枚目です。

秋と言えば・・・
「芸術の秋!」

ということで、
最近 
竹林が放置されていて伸び放題と
ニュースを聞いた方もいると思います。

その放置された竹林から、
竹を切り出して、“竹灯籠”を作ったのが上記の写真です。

なんとこの絵柄は・・・
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本NPOのロゴにも似ていませんか???

食欲、芸術 の秋🍁 × 富士山 🗻

と2枚の写真をご紹介いたしました!

みなさまは、
どのような秋を見つけて
いかがお過ごしでしょうか?

(広報ボランティアスタッフ:M )



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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フジアザミ(富士薊、学名 Cirsium purpuratum
キク科アザミ属多年草である。富士山周辺に多いことから「フジアザミ」と名付けられた。学名(種小名)のpurpuratumは、「紫の」という意味である。日本産のアザミの中では最も大きな花を咲かせる種類であり、高さは20–100cm、葉は長さ30–70cmに達する。茎の先端に付く頭花の大きさは子供の拳ほど(直径5–10cm)と非常に大きい。富士山および富士山周辺の山地の山地帯~亜高山帯に分布する。砂礫地や崩壊地周辺で多く見られる。そのため基準標本は富士山のもので、日本の固有種である。ーWikipediaより


9月5日(月)の太郎坊は良いお天気で、山頂班の撤収荷物を積み込んだブルの到着を待つ間、早稲田大学、東京理科大学、山梨大学などの実験が行われている奥の方を見学しましたが、装置の近くでフジアザミの大きい株を見つけました。


例年9月から10月に咲くフジアザミですが、まだ咲き始めで固い蕾が散見されました。このあざみは棘が鋭いので有名です。でも、きれいな花には棘があり、それも「ハンパナイ」棘なので、近づかない方が無難です。

触って見るだけでも痛い目に合うことがあります。以前、富士山ブルの創始者だった伊倉範夫さん(現在のオペレータ伊倉秀雄さんのお父さん)が太郎坊におられた頃、大きなシェパードを飼っておられましたが、フジアザミだけには決して近づかなかったとか。

こんな嫌われ者のようなフジアザミですが、根が大きくて強く、動きやすい斜面に杭を打つように伸長し、群落を作ると表面の礫の移動を止めて富士山の斜面の安定に重要な役割を果しているのだそうです。

火山や雪崩などでできた裸の斜面は植物に被われるまでに長い時間を要するのですが、フジアザミは裸地に最初に定着できる「パイオニア植物」に属していて、このような特性を備えているとのこと。(本NPOスタート時に講演会などで活躍された静岡大学・増沢武弘教授の『富士山と自然』に詳しい)


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「パイオニア植物」であるフジアザミは、根が大きくて強く、富士山斜面の礫の移動を止める役割をしている

フジアザミは富士山を象徴する植物として、須走口登山道へのアクセス「ふじあざみライン」や、国交省・富士砂防事務所の広報誌のタイトルなどにも使われています。

富士砂防事務所は「大沢崩れ」対策をはじめとした富士山の土砂災害対策事業や、富士山の火山活動による土砂災害防止のための調査などを担っており、広報誌『ふじあざみ』は本NPO事務所にも送り届けられてきています。

本NPOの発足当時、御殿場のアパートで『ふじあざみ』と発行の写真集を持ってきて下さった砂防事務所の方にお目にかかったことがありました。まだスタートしたばかり、今後どうなるか分からなかった当時の本NPOにも、いろいろご指導いただきました。いまは懐かしい思い出です。

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富士砂防事務所広報誌「ふじあざみ」最新号。最近は「富士山クイズ」など楽しい記事もある

この花が咲き始めると太郎坊はもう秋。夏山のシーズンは終わりです。2005年以前の気象庁時代には、大気化学の研究グループは忙しい撤収作業のころ太郎坊でこの花を眺めて、「また来年」と山をあとにして下りたものです。

いまは早稲田大学、東京理科大学、東京都立大学、静岡県立大学などを中心に太郎坊の通年観測も定着し、フジアザミも研究観測で訪れる彼らにはすっかりお馴染みの花になっています。

(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。

富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。


また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。


しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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  富士山頂の旧測候所庁舎内で作業する鈴木智幸博士

以下鈴木博士による簡単な論文の説明です。

 雷雲起源の放電活動は雷雲上空でも発生しており、総称して高高度放電発光現象と呼ばれている。2013年7月22日に富士山山頂から初めて、雷雲内の大きな正電荷の中和に伴い発生する巨大な高高度放電発光現象であるスプライトが6事例撮影された。これらのスプライトは、大規模に組織化された雷雲群であるMCS(メソ対流系)の層状域と5例が、対流域と1例が関連している可能性が示唆された。
 スプライトの原因となった層状域の電荷は、層状域内の広い領域で作られているといわれているほか、対流域起源の降水粒子が層状域に移流してその原因となっていることが指摘されており、広大な領域で電荷分離が起こっていることが推測される。電荷を担っているのは、雷雲内の大量の降水粒子であることから、MCS下での地上降水量の時系列にはスプライトの発生と関連するシグナルがみられるのではないかと推測し、MCS全体のレーダーエコーから推定された降水量を適当にカテゴリー分けし、その時系列とスプライトの発生時刻を比較した。
 その結果、この事例では、8mm/hを境に降水量時系列の特性が異なり、8mm/hよりも降水量が小さいときには、降水時系列にピークが2つあったのに対して、8mm/h以上では、5例のスプライト発生直前に非常に大きな降水量のピークがみられたことから、8mm/hを閾値として、降水量が大きい場合を強い降水、小さい場合を弱い降水と定義して、全降水量に対してどの程度の比率を占めているかを求めた。全降水量に対する強い降水の変化の時系列とスプライト発生時刻を比較したところ、強い降水のピーク後20分以内にスプライトが発生していたことか分かった。
 また、層状域で発生した5例のスプライトに対応するMCS内の強い降水量に関する最初のピークは、降水量の増加開始から約80分、対流域付近で発生した1例のスプライトに対応するMCS内の強い降水量に関するピークは、約30分であった。層状域の電荷分離はゆっくりとしており、対流域では比較的速いと考えられることから、両者の違いは、主な電荷分離が異なっていることが示唆された。

なお、この研究は富士山環境研究センターの藤原博伸研究員や本NPOの鴨川仁専務理事も共著者です。ますます、これからの研究の発展が楽しみです。

(広報委員会)



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2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


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 10月12日発売『週刊現代』の掲載は173ページにあります

NHKで2000年から2005年まで放映された人気ドキュメンタリー番組「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」。200回近く放映されたこの番組の第1回目は、富士山測候所にレーダーを設置する男たちの物語でした。石原裕次郎の映画にもなったドラマチックな展開は今も記憶に新しく、人々を魅了しています。

富士山レーダー設置に関するメディア報道は今なお続けられており、この夏も各メディアから取材を受け、放映されたばかりでした。その話題も冷めやらぬタイミングで、今度は『週刊現代』から「グラビアで連載している《情熱の時代》の第11回に富士山測候所を取り上げるので取材したい」との連絡が入りました。

連載《情熱の時代》では東京タワー、通天閣、大阪万博と太陽の塔などといった第二次世界大戦から高度成長期にかけての日本を象徴する建築物を毎回取り上げており、富士山測候所もその一つとして選ばれたもの。

NPO東京事務所で取材に対応したのは、富士山に関する書籍を多数著している土器屋理事、富士山測候所所長だった佐藤監事、そしてNPO法人富士山測候所を活用する会を率いる鴨川専務理事の3人です。

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 富士山測候所の歴史を伝えるページ

グラビア記事は「ヘリコプターまで駆使した難攻不落の工事」「戦前から気象予測に使われた富士山頂」「気象衛星の発達で無人化するも高まる価値」の3部で構成。ふんだんに使われている迫力満点のモノクロ写真が当時の様子を生々しく伝え、文章の中でもこれ以上ないとっておきの当時のエピソードが引用されています。

土器屋理事は富士山レーダーの建設で中心としてあたった故・伊藤庄助氏とのインタビューの記録から、過酷な工事の話や富士山頂と東京・気象庁との間で行われた鏡と火を用いたという今では信じられないような交信テストの様子、富士山頂での気象観測に関する歴史的な経緯などを紹介。

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 本NPOにも相当数の写真画像がありますが、今回使われている写真は初めて目にするものも多い

佐藤監事は山頂での「日本一危険な公務員」といわれた過酷な勤務の様子をユーモアも交えて語っていますが、富士山レーダー観測停止の日のことをを振り返るくだりは万感胸に迫るものがあります。最後は、鴨川専務理事が現在行われている山頂でのNPOの研究の価値についてで締めくくりました。

この雑誌全体の中では比較的地味な記事ですが、取材に当たって周到な調査がなされていることには驚きました。本NPOのウェブサイトはもちろん、関連する出版物まで読み込んでこられた高名な編集者の取材姿勢には頭が下がる思いです。

取材を受けた3人も紛れもなく本稿のサブタイトルにある「日本の気象を見つめた天空の守りびと」。本稿はいずれ「歴史の証言」として貴重な記録になるものといえましょう。

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 ”歴史の証人”となった3人.左から鴨川専務理事、佐藤監事、土器屋理事


『週刊現代』は2022年10月12日(水)発売。
週刊現代 2022年 10/22 号のご購入はこちらから
皆さまにもぜひご覧いただきますようお勧めします。

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(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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