太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2023年02月

表紙
HIMALAYA No.503の表紙:左Skil Brum(7360m)中央Summa Ri(7286m)(表紙写真:岩崎洋)

2022年の暮れに届いたヒマラヤ協会の機関誌『HIMALAYA』の表紙はお馴染みの岩崎洋山頂班長の写真で飾られています。ページを開くと、まず目に入る最初の記事
「K7 Expedition2022報告」横山勝丘 です。
岩登り
 巨岩に取りつく鳴海山頂班員
”5年ぶりとなる海外遠征が終わった。私はパキスタンに到着してすぐに引いた風邪が長引き、キャラバン中や順応中はおろか、本番も発作的に起こる咳に悩まされた。今思えばコロナだったのではと思うが、弱り果てた自分自身のフィジカルに愕然とし、山へのネガティブな思いが残ってしまったのが悔やまれる。もちろん久々のヒマラヤに畏敬の念を抱き、そこに身を置くことそのものへの心地よさは格別のものだった。簡単ではあるが、ここに報告したい”
とはじまり、
”メンバーは隊長:横山勝丘、隊員:鳴海玄希、
期間:2022年7月13日~8月23日(42日間)”
とあります。
2022年の山頂班長を6月17日から7月12日まで勤めた直後のパキスタン行きに、まず驚きます。
記事は、登山計画、コースの選定、クライミングパートナーとの信頼関係、コロナ禍における登山事情、現地リエゾン氏との対応、アメリカチームとの暗黙の競争、気象状況と体調の管理など、また、途中から1984年に東大隊が登頂した時の既存のコースに合流することなどへの登山家としての感想がのべられ、この40年の間の温暖化による雪の状況の変化に思いを馳せ、最後に、登頂間際で時間的な余裕や、諸般の状況から下山を決意するまで、抑えた筆致で淡々と語られますが、迫力満点です。
(全文を読みたい方は、是非本書をご購入下さい。ここからご購入になれます)

3ページ目には、途中に「ベースキャンプにて、田中、佐藤、ガイド、横山、坂本、鳴海」というスナップがあり、これは2022年にお世話になった山頂班の皆さんです。
zennin

このブログで過去にも、登山家としての山頂班のご紹介を何度か行いましたが、今回も改めて、山頂班各位の素晴しい登山家としての一面を垣間見た思いです。

(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


タイトル
論文の詳細はこちらへ



世界的な学術雑誌 Chemosphere に
「Airborne microplastics detected in the lungs of wild birds in Japan
(日本の野鳥の肺で大気マイクロプラスチックを検出)」という論文が掲載されました。
大河内副理事長も連名です。




大河内副理事長のメールによると



”日本獣医生命科学大学・羽山真一先生、徳長さん他との
野鳥肺マイクロプラスチックの共同研究成果が、
昨日(2023年2月10日)、Chemosphereに公開されました。
これまで、ヒト肺(遺体,生体)からマイクロプラスチック検出はありますが
野鳥肺からの検出は世界で初めてです。 




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図はカワラバト(rock dove)  と納屋ツバメ (barn swallow)の肺から検出されたことを示します。

大気マイクロプラスチック研究の最先端の事実が
また一つ明らかになり、
大河内副理事長グループの研究の発展が楽しみです。

詳しい内容は追ってご報告しますので、引き続きご注目下さい!
(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

フェイスブックを見ていたら  
表記の文字が飛び込んできました。
早速、大河内副理事長にメールを出したところ下記のようなお返事が来ました。

アサヒビール学術振興財団の研究報告書を添付いたしましたが、
これは都市型豪雨(ゲリラ豪雨)に関するものです。
タイトルは「都市温暖化が首都圏夏季豪雨の発生頻度と化学組成に与える影響」についてです。
詳しい内容は大学院生だった内山竜之介さんの論文に報告されていますが、都市型豪雨の化学分析と安定同位体分析を組み合わせるという新しい観測研究で、多くのことが明らかになっています。
首都圏で想定される都市型豪雨の生成機構

この都市型豪雨研究がベースとなって、NPOで2020年採択された以下の研究助成につながり、山間部豪雨研究、カンボジアにおける熱帯スコール性豪雨研究に繋がっていますので、NPOとも大いに関係しています 。
2021 年 一般財団法人 WNI 気象文化創造センター
「気象文化大賞 アジア太平洋地域助成事業」
引用文献
Geochemical and stable isotope characteristics of urban heavy rain in the downtown of Tokyo, Japan 
Ryunosuke Uchiyama, Hiroshi Okochi, Hiroko Ogata, Naoya Katsumi, Daisuke Asai, Takanori Nakano
ATMOSPHERIC RESEARCH 194 109-118 2017年9月

授賞式は4月12日(水)とのことです。
大河内副理事長の研究グループのますますの発展が楽しみです。
これからも豪雨の話をふくめて、追ってゆきたいと思いますが、まずは受賞のお知らせまで。

(広報委員会)


認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。


また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。


しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。


本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

無題
防災セミナー「地震と富士山噴火」より

2023年2月25日 10:00 – 12:00
清水テルサにて
防災セミナー「地震と富士山噴火」と題して
長尾理事が講演いたします!
 ・静岡県を襲う巨大地震
 ・富士山は噴火するか

 ・地震被害を減らすには
と気になる👀見出しとなっております。

参加は無料、
対象は19歳以上・静岡市在住の方です。

事前申込制となっていますので
より、お申込みください。



(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

 前回の地震観測網のブログ(23-4)で、地震活動そのものが近年活発になったのでは無いという事をお伝えしましたが、今回は地震の空間分布について解説したいと思います。
 次の図は日本列島およびその周辺のプレート分布です。日本列島は4つのプレートに囲まれています(ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)。

スクリーンショット 2023-01-30 1.28.32

 この図は、多分日本で初めて垂直方向の誇張をせず、実際のプレートの沈み込みの角度を表現したものです。私どもが調べた限り、気象庁の図も、地震調査研究推進本部の図も沈み込むプレート角度が急すぎるのです。
 気象庁のウェブサイトでも解説されていますが、現在世の中に存在する図はすべてこのような角度でプレートが沈み込んでいる図です。この角度で沈み込んでいますと、紀伊半島近傍で深発地震は発生する事は出来ません。


 プレートテクトニクスそのものについては、機会を改めて解説したいと思います。最近は地学を高校で履修できない高校が多いですが、そのような高校の学生さんも、最低限地球科学分野では次の2つの単元を学ぶ事になっています。1つ目が「天動説・地動説」であり、もう一つが「プレートテクトニクス」なのです。プレートテクトニクスはいまや地球科学分野では”公理”とも言えるものになっているのです。

 次の図が日本列島およびその周辺の地震の分布です。2000年から2022年までのマグニチュード3以上の全ての地震を図示してあります。色の違いは地震が発生する深さの違いを示しています。

スクリーンショット 2023-01-30 1.18.04
 この図の中の四角で囲った領域のA-Bに沿って投影した断面図を見てみましょう。地震が発生する深さが日本海(ユーラシア大陸側)へ向かって深くなっている事がわかると思います(深発地震面の発見)。

スクリーンショット 2023-01-30 1.17.48

 深発地震面は、断面図上に震源分布をプロットしていくと確認できます。これを1927年に初めて発見したのが初代気象庁長官であった和達清夫(1902-1995)でした。そして、1930年代には日本の地震学研究者の間では広く認知されるようになっていました。
一方、欧米ではほぼ同時期にアメリカのヒューゴー・ベニオフ(Hugo Benioff, 1899-1968)がやはり観測結果から深発地震の存在を予見していました。

 そのため、深発地震面は外国では「ベニオフ帯」と呼ばれるようになりました。しかし、実際の発見は和達が少し早かったのです。そのため、この1月に93歳で他界された長尾の指導教官でもある上田誠也先生が、国際会議で和達先生の功績を称えるため、今後深発地震面を「和達ーベニオフ帯」と呼ぶようにしようという事を繰り返し発言されました。その結果、今では欧米でも「Wadati-Benioff zone」という名前が定着したという事がありました。 
(文責:長尾年恭)

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  1月19日に93歳で逝去された上田誠也東大名誉教授(2003年撮影)

 1月19日の多くの新聞ではプレートテクトニクス研究の第一人者・上田誠也東大名誉教授の訃報を載せていました。上田先生は東大退官後東海大や理研に長く務められ88歳まで科研費Cが採択されるような精力的な研究を続けられたとか。長尾理事と鴨川専務理事はとともに上田先生のお弟子さんでした。
本NPOにとってもご縁の深い上田先生のご冥福を心からお祈りいたします。

(広報委員会)





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富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。
しかしながら、資金面に関しては、公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へつなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。
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