太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2023年06月


f891c4102
  IIAE司会者による紹介

6月16日のIIAE(大気環境総合センター)の特別セミナーは、本NPO三浦理事長の「東京都心および富士山頂で測定した大気エアロゾル粒子の長期変動」と題して、1時間40分の講演と質疑応答を合わせた2時間にわたる充実したものでした。

4cb51c992

d693116a2

  講演のタイトルと目次

前半では、1980年代の神楽坂・理科大キャンパスの観測や、観測船上での海洋大気の観測に始まり、

1a1b16532
  IIAE太田幸雄先生(当時北大教授)も参加されたACE Asiaプロジェクト

IIAEの関係者にも懐かしいACE-Asiaプロジェクトの話など、三浦理事長の研究史が、エピソードを含めて詳しく語られました。

後半は富士山頂と東京スカイツリー(458m)における新粒子生成、雲生成についてのお話でした。山岳大気については、初めて山頂へ行った「霧で何も見えなかった」導入から、理科大に「山岳大気研究部門」を立ち上げて、積極的に山岳大気研究を始め、多くの学生を育てたこと、

画像1
 2004年8月の測候所前(霧の中で何も見えなかった)

また新粒子生成については、2006年~2019年の富士山頂、太郎坊などのデータを纏め、ユングフラウ観測所など世界の山岳データとの比較検討し、夜間の新粒子生成は富士山頂に固有の現象であること、その原因などについてのお話でした。(表)

画像2

最後にエアロゾル濃度は粒子の大きさ、高度に関わらず減っていること。そのためエアロゾルの冷却効果が弱くなるのでより厳しい温暖化抑制政策が必要になること。今後もエアロゾル濃度の測定が重要であることが話されました。(図1)

画像3
画像4
図1 富士山頂3776m(上)、東京スカイツリー458m(下)で測定した粒子濃度の変化
山頂の濃度は14年間で約1/3, スカイツリーの濃度は3年間で約1/3に減少している

画像5

図2 東京理科大学(新宿区神楽坂)で測定したエアロゾルの光学的厚さ(気柱濃度)の変化
2006年頃に急激に減少した。

現在は、東京理科大嘱託教授と富士山環境研究センター・シニアリサーチフェローとして研究を続け、本NPOの理事長の重責も勤めています。

(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


nakayama
 山梨日日新聞6月5日(月)

6月5日(月曜日)の山梨日日新聞に
「富士と生きる」世界遺産登録10年シリーズ(6)
「高さ日本一 研究に価値:気象観測所の運営者」
として本NPOのブログを担当する土器屋由紀子理事が紹介されました。
横内史貴記者の署名記事の内容をご紹介します。
”「未来へつなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします」認定NPO法人「富士山測候所を活用する会」が月10回ほど発信する活動紹介などのブログには毎回決まった一文が文末に入る。”
という導入から、現在「富士山特別地域気象観測所」となっている旧富士山測候所を気象庁から庁舎の一部を借り受け管理・運営している認定NPO法人富士山測候所を活用する会を紹介し、ブログの更新を担当する土器屋理事の「出来るだけ多くの人に知ってもらいたい」という意図を説明しています。
 なぜ、このような活動を始めたかについて、気象大学校勤務の時代から、旧測候所の一部を借りて大気汚染物質について研究をつづけていたこと、測候所の無人化に伴い、他の研究者らとNPOを結成し、活動を開始することで、2007年より気象庁からの借用に至った経緯を示しています。

 2013年に富士山が世界遺産に登録されたことで、この活動にもスポットが当たり、報道機関からの取材依頼や歴史などの問い合わせが急激に増えこたことなど、一定の知名度は上がったものの、その後は社会情勢などで民間の財団の助成金が減るなどして、会の運営はいつも綱渡りの状態であったこと。2020年には新型コロナウィルスの影響で夏山登山が規制されたことで、存続の危機を迎え、クラウドファンディングで辛くも乗り越えたこと。しかし、今も年間3000万円に上る資金の調達に苦しみ、安定運営の道筋が見えないことなどもわかりやすく説明されています。

 最後に、富士山が「日本一の高さに加え、独立峰であることから、周囲の山などの影響を受けずに大気の観測ができる貴重な場所」であることを強調し、活動の過程で加わった、大気電気や、高山病などの高所医学といった様々な異分野の研究が行われ、若い研究者に魅力のあるこの場所から
新たな”シナジー”も生まれているので「絶対になくなっては困る」というNPO法人の意図を示し、

世界遺産登録から10年。「日本一高い所にある研究施設」の価値を多くの人に知ってもらう新たな転機になることを願っている。
と結ばれています。

    さんにちEye「富士と生きるシリーズ」
     さんにちEye「富士と生きる」シリーズ(6)より

この記事は「さんにちEye」か
らもご覧になれます。
この記事から、多くの読者に本NPOの意図と実態を分かっていただけることを望みます。
(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

cache_Messagep51282
  中野サンプラザ正面入り口

今月いっぱいで改築のため閉館される中野サンプラザとZoomを併用したハイブリッド形式で、6月10日(土)に本年度の総会と特別講演会が行われました。

会長挨拶
             宿利正史会長の挨拶

開会宣言に引き続き宿利会長の、コロナ禍の苦労とその後の対応などに言及した、心のこもった挨拶がありました。総会の議事は鴨川専務理事の説明で進行し、定刻に終了しました。

終了後・特別講演会に移行。気象予報士で:株式会社ウェザーマップ所属の伊藤麻衣氏(NHK静岡「たっぷり静岡」気象キャスター)による「気象予報士の視点から見た富士山について」が行われました。

cache_Messagep51268
  特別講演を行う伊藤麻衣氏

スライド1

静岡出身、静岡在住の伊藤氏の富士登山経験と測候所見学に始まり、スライドに沿って地元ならではの富士山の知識が披露されました。

スライド2

スライド5

講演終了後「富士山の初冠雪」については、元富士山測候所長・佐藤政博監事や三浦理事長、鴨川専務理事も含めていろいろな意見が、また「富士五湖は5湖じゃない」ことに関連して「幻の赤池」の話など、和やかな質疑応答が続きました。

cache_Messagep51276

IMG-41721
 最後に会場参加者で記念撮影

おまけ:
「趣味はフラダンス」という伊藤氏が、ご自身のウェブサイトから写真の一部の公開を許可して下さいました。

586DF59B6EFB3E87D022109BB134E1E8CDA022E6
今後ますますのご活躍をお祈りします。

(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

伊藤麻衣(1)
特別講演は伊藤麻衣氏(気象予報士:株式会社ウェザーマップ)

令和5年度の認定NPO法人富士山測候所を活用する会の総会は下記のとおり行われます。


日時:2023年6月10日(土) 13:00〜13:45
開催方法:中野サンプラザ会場とZoomによるハイブリッド開催

ミーティングID: 880 0447 1941、パスコード: 907588

(2会場:中野サンプラザ研修室11(7F)
東京都中野区中野4-1-1、最寄り駅:JR中野駅北口

(3議題:
議題①②③ 2022年度の事業報告、決算報告および監査報告
議題④⑤  2023年度事業計画と予算。


※コロナ禍のため、会場参加人数を制限しております。オンライン参加でお願いいたします。

総会に引き続いて特別講演会があります。

特別講演会
⽇時:2022年6月10日(土) 13:50〜14:30
ZoomURL:総会と同じ
講演:伊藤麻衣氏(気象予報士:株式会社ウェザーマップ)
講演タイトル:気象予報士の視点からみた富士山について


以上、6月1日の本年度第1回目の本NPO理事会で決定しました。


2022年度の事業報告、決算報告および監査報告は、
6月10日の総会を経て、
本NPOウェブサイトにて公開されます。

7F0669B0-5D1B-486C-80B6-BF6C600B9EF5-1
 2023年度 第1回理事会の模様(6月1日)

総会と特別講演会へのご参加をお待ちしています。

(広報委員会)





認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

左回転
 6月4日東京新聞p27

裏表紙一面の大きい富士山火口の写真には
「受け継ぐ『遺産』」として 戸上航一記者の署名記事が続きます。

富士山が世界文化遺産に登録されて6月で10年を迎える。古くから霊山として畏怖され、あがめられた日本の「心」は世界の財産となり、多くの観光客や登山者らを迎え入れてきた。

富士山頂には「八神峰」ともいわれるいくつかのピークがあり、最高峰が剣ケ峰。2等三角点が設置され、その地点の標高は3775.51メートルだ。

最高峰は自然観測の場としても重要視された。1895年に気象学者の野中至が私財を投じて観測小屋を建設。その後、「中央気象台富士山頂観測所」となり、太平洋戦争中には米軍機の空襲を受けたことも。1964年、当時としては世界一広い半径800キロメートルをカバーするレーダーが設置され、より正確な台風予報に役立てられた。

 やがて、気象衛星の普及によりレーダーは撤去され、施設は無人に。現在の名称は「富士山特別地域気象観測所」。認定NPO法人富士山測候所を活用する会(宿利正史会長)が国から借りて研究活動拠点とする。土器屋由紀子理事(84)は「地球の現状を知る上で大切な施設。維持コストに苦労するが、受け継いだ遺産を今後も絶やさず活用したい」と話す。


スクリーンショット 2023-06-04 14.09.49

東京新聞webサイトからもご覧になれます。

記事では、本NPOにも触れられています。世界遺産登録10周年を迎えて、私達NPOが、コロナ禍にもめげずに、わが身を削りながら、17年間にわたって何とか山頂の一角をまもって研究活動を続けていることに、新たな光が当てられることを祈ります。
(広報委員会)


認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは

2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

↑このページのトップヘ