太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2024年05月

田中写真
 田中義朗理事

総会後、田中義朗(たなか よしろう)理事による特別講演会を行います。

演題:
富士山チャレンジの取組 
〜富士山登山者動態データの取得と利活用デザイン〜

「毎シーズン20万人を超える多くの登山者が訪れる富士山ですが、その登山者の行動実態はほとんど把握されていません。
7割以上の登山者が初めての富士登山だったり、外国人登山者の急増により、登山者の道間違い、遭難事故が多発する傾向にあります。

また近年各地の観光地で問題になっているオーバーツーリズムですが、富士山でも御来光時の山頂付近の大混雑が発生し、様々な安全上の問題が発生している状況にあります。

富士山チャレンジでは、それらの問題解決の基本となるすべての登山者動態データをリアルタイムに収集する共に、登山道、気象などのデータと組み合わせて安全登山へ生かす方策を考えています。まだまだ実現までにはほど遠い状況ですが、
その可能性の一端をご紹介できればと考えています。」

日時:6月8日13:50-14:30 (総会終了後)
場所:ハイブリッド開催
(1)     オンライン参加(Zoom):
https://us06web.zoom.us/j/84729550501?pwd=y9n6kzBooHdWsjWuWqKmVX1bj3uv6k.1
ミーティング ID: 847 2955 0501、パスコード: 731668
(2) 会場:連合会館502会議室(定員45名)(13:00 〜 17:00予約)
     東京都千代田区神田駿河台3-2-11

※会場参加をご希望の方は事務局までお問い合わせください。
認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 東京事務所(事務局)
TEL:03-6273-9723
E-mail:tyo-ofc@npofuji3776.org


田中理事は一般社団法人 富士山チャレンジプラットフォーム 代表理事で
日本工営株式会社 事業戦略本部官民連携室 シニアスペシャリスト 
 
以前本ブログで富士山チャレンジについご紹介しましたが
「富士山における登山者・観光客の安心安全システムの社会実装を目指し、様々な現地実証を通して登山にかかる課題解決に寄与することを目的とし」
財団法人「富士山チャレンジ」代表の田中義朗理事の楽しく有用なお話が期待できます!!
多くの方のご参加をお待ちします。

(広報委員会)
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5月26日、2024夏期観測 キックオフミーティングが連合会館とZoomによるハイブリッド形式で開催されました。



2024夏期観測の参加プロジェクト数は、研究、活用、トライアル合計29件。コロナ禍前の件数にほぼ戻ってきました。


恒例の加藤俊吾理事の司会進行で会議はスタートしました。



キックオフミーティングの参加者は会場とZoom参加を合わせて50名ほど。
2024夏期観測参加者の自己紹介では、参加できなかった電気通信大学の柳井啓司先生が事前に動画を作って流してくださったり、和歌山大学の天野敏之先生が外出先から歩きながら参加されたり、とてもいい雰囲気でミーティングは進行しました。

今年から山梨県富士山吉田ルート通行予約システムがスタートし、通行料として2,000円の事前決済が必要となるなど、例年と異なる環境において夏期観測を行うことになりました。




山頂班の岩崎洋班長も出席して活発な議論が行われました。
皆巳幸也副事務局長から「コロナ対応のまとめ」、三浦和彦理事長からGoogleスプレッドシートを使った「登山計画書」の記入方法の説明があり、キックオフミーティングは終了しました。





7月1日の開所に向けて2024夏期観測はスタートしました。

2024夏期観測は、「大成建設自然・歴史環境基金」「WNI気象文化創造センター」「Yahoo!基金」他の助成金を受けて開催されます。








(広報委員会)
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渋谷の忠犬ハチ公の像は「待ち合わせ場所」でおなじみですが、
飼い主だった東大農学部教授・上野英三郎(ひでざぶろう)先生と仲良く遊んでいる銅像もあることをご存知でしょうか?

240518上野先生とハチ_
 ハチ公没後80年とされる2015年3月8日に東大農学部正門脇左側に建立

渋谷ではなく、当時渋谷近くにあった駒場農学校の移転先・文京区弥生町の東大農学部キャンパスに、2015年に建てられて今年は10年目を迎えています。
「ちょうど学園祭だし、いろいろなグッズも販売中ですよ」
と古い知り合いに誘われて「ご当地グッズ大好き人間」の芙蓉日記の会の3人で5月18日に遊びに行ってきました。
確かにありました!
東大農学部の正門を入ってすぐ左手、外装修理中のビルの前にさり気なく置かれていています。

hachi
 東大農学部資料館、農学部正門から入って右側

農学部正門の右側には資料館もあり、そこでグッズ販売が行われていました。

グッズ
 Tシャツ、絵葉書、ぬいぐるみ、ボールペンなど多数、毎月8日の「ハチの日」
(10時ー16時)はボランティアによる説明やグッズの販売が行われています。

資料館にはハチの内蔵の標本もあり、死因はフィラリアだったとか、獣医学科の研究者たちによる調査も展示されています。解剖結果によると、胃から串がたくさん出てきたようで、ハチは駅前の焼き鳥が目的だったという説もありますが、2009年には米国映画「Hachi 約束の犬」(リチャード・ギア主演)として評判にもなりました。2015年に建てられたこの像も、上野先生とハチ公にスポットが当たるきっかけになっているようです。

上野英三郎教授(1872-1925)は日本の農業工学の創始者として知られていますが、当時、深刻な社会問題であった足尾鉱毒事件で、田中正造議員の依頼で渡良瀬水域の銅イオンの分析を行った古在由直(こざいよしなお)東大農学部教授(後の総長)とともに、渡良瀬沿岸土壌の調査も行っておられたとのことです()。
もしかしたら、そのような調査旅行へ出かけたと思って、帰ってこられなかった上野先生をハチ公は渋谷の駅で10年待ち続けたのかもしれないですね。

ハチこうやき
 学園祭では「ハチ公焼き」もありました

ハチ公焼きshou
 ハチ公焼き、餡といぶりがっこの2種類です

富士山測候所の創設者・野中至(1867-1955)・千代子(1871-1925)夫妻と、ほぼ同時代の上野英三郎先生との直接の接点は見つかりませんが、5月18日に見学した「上野先生とハチ公」グループの活動は多方面からのアクセスされる楽しい活動でした。
本NPOもいろいろ参考になることがありそうです。

注:熊澤喜久雄「足尾鉱山鉱毒事件を巡る農学者群像(続)ー谷中村の貯水池火問題と鉱毒被害地の改良ー、肥料科学、37,1-74(2015)

(広報委員会)


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熊本県の阿蘇山で5月15日の早朝から火山性微動の振幅がやや大きくなっているとの事です。
阿蘇山では4月26日に噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引き下げたのですが、噴火警戒レベルが 2(火口周辺規制)に15日の午前中に再び引き上げられました。中岳第一火口から概ね 1km の範囲で、噴火に伴う大きな噴石及び火砕流が到達する可能性が指摘されています。
阿蘇は活発な活火山であり、過去に日本最大級の噴火(破局噴火と呼ばれています)を引き起こしています。本ブログではこの破局噴火についても解説したいとおもいます。

破局噴火は、地下のマグマが一気に地上に噴出する壊滅的な噴火形式を表す用語です。地球規模の環境変化や大量絶滅の要因と考えられています。なお正式な学術用語としてはウルトラプリニー式噴火(英語: Ultra Plinian)と呼ばれています。この噴火では大規模なカルデラの形成を伴うことから、カルデラ噴火とも呼ばれています。
「破局噴火」という言葉は、もともと作家の石黒耀が2002年に発表した小説『死都日本』の中で使用した造語でした。この小説は石黒氏の処女作で、メフィスト賞、日本地質学会表彰、宮沢賢治賞奨励賞等を受賞されています。
作中の設定では、南九州の加久藤カルデラが約30万年ぶりの超巨大噴火を起こし、火山噴火予知連絡会はこれを「じょうご型カルデラ火山の破局“的”噴火」と発表したのですが、NHKの臨時報道番組のキャスターが「破局噴火」と間違えて連呼したという設定になっています。
この『死都日本』は現実の火山学者からも超巨大噴火をリアリティーを持って描いた作品と高く評価され、「破局噴火」は作中用語という枠を越えて、実際に起きた(そして将来起きるであろう)そのような大噴火を表す言葉として一部の火山学者やマスコミ報道で使われるようになりました。
特にこの小説を評価したのが、富士山研究で有名な小山真人さんです(現在静岡大学名誉教授)。2003年には「破局噴火」をテーマにしたシンポジウムも開催されました。

このシンポジウムの特集号は月刊地球2003年11月号として海洋出版から刊行されました。

巻頭言が小山先生によって書かれていますが、これは全文をウェブで読む事ができます。

ちなみに阿蘇山は最近では2021年10月20日に火砕流を伴う噴火が発生し、噴煙が最高で火口縁上 3,500m まで上がり、気象台は5段階ある噴火警戒レベルを2から3に引き上げた事がありました。
近年は観測網も充実し、火山性微動等のレベルも常時監視されていますが、噴火規模の正確な推定はなかなか困難であり、気象台や自治体が発表する情報に留意して観光を行って欲しいと思いま す。

気象庁では三宅島や浅間山等とともに、阿蘇山にも複数の監視カメラを設置しており、 全国の火山の映像を確認する事が可能です。
次の写真は阿蘇山・南阿蘇村の監視カメラの映像です。各地の火山で、このような映像を確認する事ができます。

時にはこのような映像にアクセスされ、生きている地球を実感して頂ければと思います。

(文責:長尾年恭)

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今回のブログは「八戸特派大使」も務める本NPO三浦和彦理事長がお届けします。

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「Beautiful Japan 吉田初三郎の世界」を観に府中市美術館へ行ってきました。
 展示会のパンフレットに使われた『富士見延鉄道沿線名所鳥瞰図』(1)
初三郎は1884年京都生まれ、大正から昭和にかけて、空高く飛ぶ鳥や飛行機から見下ろした視点による鳥瞰図のスタイルで数多くの名所案内を描き、生涯に2000点とも言われる鳥瞰図を制作し「大正の広重」とも称されています。
初三郎の鳥瞰図の構図は、実際の地形を正確に表現するのではなく、曲がりくねった線路を真っ直ぐに描写し中心となる建物や電車を極端に大きく描くなど大胆なクローズアップやデフォルメが施されています。そして細部まで手を抜かない緻密な描写は目を楽しませつつも非常にわかりやすく、自分が旅をしているかのような気分を味わうことができます。知っている地名はどこに描かれているのかと一緒に行った妻と二人で目を皿にして探してしまい、気がつけばあっという間に90分が過ぎていました。
初三郎の鳥瞰図にはほとんど富士山が描かれています。中部・関東地方の作品ならともかく、青森県・秋田県にまたがる十和田湖や九州の鳥瞰図にさえもどこかに富士山が登場します。富士山を探すのも楽しみでした。

 『十和田湖鳥瞰図』(国際日本文化センター所蔵
左端奥に富士山が、左手前に種差海岸が描かれている。

実は賛助会員の柳沢卓美さんから4月初旬、本NPOに展示会の案内と招待券が届きました。柳沢さんは八戸市の種差海岸にある種差観光協会の会長さんで、種差海岸で生まれ育ち、八戸時代の初三郎の歴史や作品をよく知る人物です(2)。初三郎は様々な場所を回っていますが、1932年に八戸市の鳥瞰図を作成するために八戸を訪れ、種差海岸の景観美に魅せられ、「ここは日本八景の『室戸岬』や東洋一の景勝地と言われる『海金剛』にも勝る日本一の海岸美」と称し、「陸奥金剛」と命名しました。翌1933年に種差海岸に別邸兼アトリエ「潮観荘」を構え、1953年の焼失までここを拠点に活動されています。


 潮観荘を訪れた高松宮殿下と初三郎(左)(1949年5月) 展示写真を著者撮影(掲載許可済み)

初三郎は当時国立公園に内定していた十和田湖に、種差海岸を含めてもらうように運動し、種差海岸は1937年に国の名勝地に指定されました。昨年11月には種差海岸三陸復興国立公園指定10周年記念として八戸市美術館で「鳥瞰図絵師吉田初三郎パネル展 鳥瞰図で見た八戸と国立公園」が開催され、柳沢さんは記念講演の講師を務められています。(3)
 これはぜひ、本NPOの会員の皆様に紹介したいと思い、初日に出かけた次第です。
 会場には各地から集められた肉筆鳥瞰図、ポスター、絵葉書、書籍、雑誌、新聞、絵画、写真など100点を超える作品が展示されています。
皆さんもぜひ、ご覧ください。

参考文献
(1)Beautiful Japan 吉田初三郎の世界
府中市美術館 2024年5月18日〜7月7日

(2)「鳥瞰図絵師が愛した風景 八戸に生きる人々と吉田初三郎」松本美枝子、未知の細道 No.219 |11 October 2022

(3)八戸市美術館 吉田初三郎パネル展



認定NPO法人富士山測候所を活用する会 理事長
八戸特派大使
三浦和彦
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以上、三浦理事長執筆のブログでした。
(広報委員会)



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