太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2025年10月

10月後半になって、東京は毎日雨模様の肌寒い日が続いています。

先週までは昼はエアコンが必要な暑さでしたが、夏期観測が終わってホッとするまもなく、
事務所は
7月に提出した認定NPO法人の更新申請に関する膨大な書類について、
東京都からの質問や修正指示に対応しています。
11月26日に現
地確認調査があり、準備を進めております。

そんな中、10月22日にMary'sの可愛らしい袋を持って、
大伏春美先生がひよっこり訪ねてくださいました。
大伏先生は
芙蓉日記の会で古文の読み解きなどでご活躍の、
本NPOでは貴少な文系の研究者です。
美しい漆塗りのお菓子鉢とともに、
「富士山チョコレートを見つけたので寄りました。」
とのこと。

大伏先生+土器屋

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大伏春美先生とMary's のチョコと漆塗りのお菓子鉢

袋裏とお菓子
ミニクランチチョコレート:
包装紙の裏には3776m☓1/180000≒ と書かれています。測定したところ高さは21mmでした。


甘い富士山の登場で、ほっこりと和んだお茶のひとときでした。

(広報委員会)
 
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10月23日、富士山初冠雪の第一報は長尾年恭理事からです。


毎日新聞YouTubeチャンネルより

ニュースによると平年より21日遅く(過去3番目)、
統計を取り始めた130年で最も遅かった昨年より15日早いとのことです。

長尾理事から頂いたメールには:

今年は富士山五合目に新しい観測点を設置するのですが、今年の2月から各種手続きを開始し、数日前にようやく林野庁の最終許可が得られました。
富士山の国有林内に観測点を設置する場合、森林法(地方自治体、今回は静岡県)、自然公園法(環境省)、文化財保護法(今回は富士宮市教育委員会)、鳥獣管理保護法(地方自治体、今回は静岡県)の許可をすべて取得ののち、林野庁関東森林管理局に申請という手順を踏む必要があり、慣れない事もありかなり時間を要しました。


とのことです。
富士山環境研究センター(LERNF)初の科研費研究「電磁気学的データの高度情報処理を主とした富士山噴火予測精度向上の研究」(長尾年恭ほか)の研究は、太郎坊に続いて5合目の地磁気観測が可能になることで、いよいよ本格化します。
これから装置の設置が始まります。雪の中での作業になりそうですが、暖かくして安全第一で乗り切って下さい。

(広報委員会)

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前回に続く)


 2005年10月21日静岡新聞と産経新聞の一部

研究者によるNPO設立の動きが活発に行われていましたが、設立総会のアナウンスまでにはそれなりの準備が必要です。
その間、2005年10月21日の静岡新聞には、
富士山測候所の有効活用、気象庁長官「管理に関与せず」
長坂昂一気象庁長官が定例会見で、夏期以外は無人化した富士山測候所について、「ここ1,2年は同様に維持するが、その先は必要ない」との認識を示した。・・・
とあります。
また、産経新聞(10月17日)にも”空き家”の富士山測候所 活用「国は及び腰」つかぬ予算・・進まぬ研究施設構想・・気象庁は「不要」 と報じられています。

          

会長が決まり、人事案も出来たので、渡辺豊博氏(ジャンボさん)は10月または11月のNPO設立総会を目指して高所科学研究会のメンバーを集めました。
10月3日に浜松町の島嶼会館で第15回富士山高所科学研究会の会合が行われています。
参加者12名、18:15-20:30 熱心な討論が行われました。

前回の会合から、メンバーに加わった東京都環境研究所の小山功氏による丁寧な議事録がの残っています。

まず、橋本元総理と会談の様子をジャンボさんから説明があり、前回のブログでご紹介した人事案が検討されました。

この日は、同時に「特定非営利活動法人 富士山測候所を活用する会 申請関係資料(案)05.10.3」と言う20ページに及ぶ資料が配布されています。(設立趣意書に始まり、会の定款、役員名簿、平成18年度事業計画案と予算案までバッチリと出来ているものでさすがジャンボさんという書類です)

理事に著名人を据えたいというジャンボさんの案には
「〇〇さんはNPOには一切参加しないと決めていると断られた」という浅野名誉教授の話や。
「著名人を増やすと総会設立の時に困ったことがある。事前の説明が不十分で議論が割れて困ったことがある」と言う永淵教授の経験談も紹介されています。

また、予算の会費は増やす必要があるというジャンボさんの発言があります。
「米国のNPOは理事は年間300万円は出す。20人いれば6000万円の基金ができるのでそれで事務局が賄える。それで事務局を支え、事務局員が会を支える」という話にはやや違和感を覚えたものです。
当時、高所研究会のメンバーは運営員で理事ではありませんでした。ちなみに、次年度(2006年度)の」予算規模は」500万円でした。

「高所研究会とは別立てにして、活用する会は別のパンフレットを作る。両者の会員は重なるが、活用する会には学生や(気象庁)OBも参加を求める。
公務員とNPOの兼務には許可はいらない。NPOはいわゆる業には当たらない。」
これも、ジャンボさんの静岡県での経験と知見が生かされていましたが、「理事」との併任には問題になる職場があるようでした。

「活用する会が測候所を自由に利用できる保証は現時点(2005年10月3日)ではない。測候所は現在。財務省の管轄下にあり、県とか市にしか譲渡できない。 測候所の利用に当たっては、他の民間との調節も必要。」

「NPOは情報公開しなければならない。」

正直なところ、研究者の大半はまだ「NPOってなに?」の状態からそれほど理解が進んでいませんでした。そのためもあってか、設立総会は11月の末にずれこみました。

「富士山高所科学研究会」のメーリングリスト(10/18)にこの間の事情がわかるコメントが収録されています。主として手塚正一・福島晨次元測候所長との話し合いから得られたもので、現在の夏期2ヶ月の管理運営に繋がる情報が含まれています。
まず電源の大切さ、東京電力との協力の必要性、ハット(電源分岐施設)の状況、発動発電機の利用、
次に、トイレ問題(すべて持ちおろし)、廃棄物もすべて下ろすこと、要員として岩崎洋さんが入っていることの重要性、気象庁との協力関係の大切さなどです。

10月31日は気象庁の「山頂庁舎有効利用検討委員会」が開かれ、高所科学研究会はオブザーバー参加をしましたが、NPO成立後は正式メンバーとして参加が許可される見通しになりました。

2005/10/31
 気象庁
 「山頂庁舎等有効利 用検討委員会」参加
オブザーバー
2005/10/31
 東大
 第16回富士山高所 科学研究会会合
たくさん
2005/10/18
 つくば
 打ち合わせ
4名
2005/10/3
 浜松町
 第15回富士山高所 科学研究会会合
たくさん
      (富士山高所科学研究会ウェブサイトから)

(広報委員会)
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こちらのブログでもご紹介した
昨年開催され好評だった 企画展 『富士山観測』~日本気象学の礎を築いた中村精男と和田雄治~
にて展示されていた一部が巡回展として
2025年10月24日(金)~ 12月20日(土)
東京理科大学野田キャンパス敷地内にある「なるほど科学体験館」にて行われます。
 
 東京理科大学 創設者シリーズ 第2弾
 巡回展 『富士山観測』
 ~ 日本気象学の礎を築いた中村精男と和田雄治 ~
東京理科大学の前身である東京物理学校の創設者21人を紹介するシリーズ第2弾は、中央気象台(現在の気象庁)で日本の気象事業の発展に貢献した中村精男と和田雄治に焦点を当てます。
東京理科大学Webサイトより



 なるほど科学体験館のWebサイトより

おなじみ、富士山測候所ジオラマ(中山良夫氏作成)も展示されます。

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 NPO事務所へ来られた東京理科大学なるほど科学体験館・大石和江副館長と
 ジオラマの運搬を手伝う桜井芳文事務局員(2025年10月16日)

また同期間中、
なるほど科学体験館に、富士山スタンプラリーのスタンプも設置されております。


野田市郷土博物館・市民会館のWebサイトより

(千葉県野田市で富士山🗻??と思う方は野田市郷土博物館・市民会館のWebサイトをご覧ください。
「なるほど!!そうだったのか!」と発見があります


昨年はご都合が合わなかった方、
また野田市の近くの方は、是非東京理科大学なるほど科学体験館にお越しください。

(広報委員会)

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突然ですが、富士山の恩恵を感じた
ある休日のお話をさせていただきます。


静岡県にある白糸の滝(Google Mapより)

家族が突然「滝を見に行こう!!」と言い出しまして、
静岡県にある白糸の滝に行ってみました。

梅雨があったのか? 水不足は大丈夫なのかな?
と思う今年の関東地方でしたが、
こちらの白糸の滝付近は、豊富な水があるようで
青々とした稲が元気よく育っていました。
(今頃は黄金の穂が実っている頃ですかね?)



上の写真の場所より(田園風景から)
徒歩10分もかからない場所に
水量のかなりある滝が現れたので、
ビックリしました。



さらにその先を5分程度、
坂道を下っていくと…



開けた場所があらわれ、無数の滝が流れていました。
水しぶきのお陰でしょうか?
30℃越えの気温だったのですが、涼しく感じました。

静岡県富士宮市のWebサイトによりますと、

 天下の名瀑としてその名を轟かす白糸ノ滝。
富士山の雪解け水が、上部の水を通す地層である新富士火山層と下部の水を通さない地層である古富士火山層の境の絶壁から湧き出しています。
高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁から、大小数百の滝が流れ落ちています。 その姿は白糸の名にふさわしく、幾筋もの絹糸をさらしているようです。
優しく、女性的な美しさで、滝壺近くに立つと、三方が水のアーチとなって幻想的な世界を見せてくれます。 

降雨量が少ない今年の初夏でしたが、
時間をかけて湧き出てくる雪解け水のお陰で
このような絶景を拝見できるのだなぁと
富士山の恩恵に心を打たれました。



次に
富士山本宮浅間大社に行きました。



富士山の伏流水が湧き出ている湧玉池がありました。
(写真ではわかりづらいのですが、透明度のとても高い池でした。)



徒歩10分程のところに
静岡県富士山世界遺産センターもあります。
(本NPOの公開講座旅ラジなどのイベントが行われております)



富士山世界遺産の碑も立っておりました。

「滝を見たい!」から始まった休日。

曇り空で
富士山の美しい姿は見ることができませんでしたが、
長い時を経て、湧き出る水を色々なところでみることができ
富士山の恩恵に
終日感動させられた一日でした。

(広報委員会)

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