太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

カテゴリ: 学会


  受賞後の(左から)三浦さん、大河内博副理事長、笹井さん(9月17日)

今年も嬉しいニュースです。

第67回大気環境学会年会が、9月16日(水)〜18日(金)、東洋大学川越キャンパスにて開催されました。
埼玉県環境科学国際センターの米持真一博士が年会長、東洋大学の反町篤行教授が事務局長を務めました。(お二人とも本NPOの会員であり、山頂利用者5000人目と7000人目でもあります)

この年会で、大河内博副理事長の研究室から学生2名が「学生・若手研究者優秀発表賞」を受賞しました。

🏆学生・若手研究者優秀発表賞(口頭部門)
笹井駿希「自由対流圏を介して長距離輸送された大気中マイクロプラスチックの特徴と地球規模輸送における役割」
共同研究者:大河内博・王一澤・速水洋(早稲田大学)・竹内政樹(徳島大学)・反町篤行(東洋大学)・小林拓(山梨大学)・加藤俊吾(東京都立大学)・和田龍一(帝京科学大学)・新居田恭弘(パーキンエルマー合同会社)


  笹井さんの発表の様子(9月16日)

🏆学生・若手研究者優秀発表賞(口頭部門)
三浦万結子「福島県里山の放射性物質長期動態と環境調和型除染技術の提言 (11)」
共同研究者:大河内博・王一澤・速水洋(早稲田大学)・反町篤行(東洋大学)・ 床次眞司・赤田尚史(弘前大学)・ 勝見尚也(石川県立大学)・桧垣正吾(東京大学)・橋本健二(一般社団法人クール・アース)・小杉徹(株式会社ジャパロニア)


  三浦さんの発表の様子(9月16日)


  17日の意見交換会で米持年会長から賞状が授与されました(左:笹井さん、右:三浦さん)

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  さらに、受賞スピーチも行われました(左:笹井さん、右:三浦さん)

そのほか、本NPO会員の関係では、東洋大学・反町教授の指導学生が2名(口頭部門、ポスター部門各1名)、慶應義塾大学・奥田教授の指導学生が1名(ポスター部門)、富山県立大学・渡辺教授の学生が1名(ポスター部門)も受賞し、まさに大豊作でした。

受賞者は口頭・ポスター両部門を合わせて9名。そのうち6名が本NPO会員の指導学生だったことを考えると、非常に素晴らしいことです!

〜〜〜〜

また、9月16日の午後行われた「酸性雨研究分科会」では、「温故知新~これまでの酸性雨研究の歴史と今後」というテーマで、以下の2つの公演が行われました。

平木隆年(兵庫県環境研究センター)
「酸性雨研究集団の結成における玉置博士の功績」

村野健太郎(元国立環境研究所)
「酸性雨研究の歴史と玉置さんとの共同作業」

2006年に逝去された玉置さんはその「面倒見の良さ」と組織力で20年経っても、同分科会の仲間からは忘れられない方ですが、本NPOにとっても、運動の初めの時点で、全国環境研グループ120数名の「賛同者名簿」を作ってくださった恩人の一人でした。玉置さんの業績の1つである「日本酸性雨研究文献リスト(大変な時間を書けて、仲間のために作ってくださいました)」とリストの一部を下に示します。







(広報委員会)
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三浦理事長(富士山環境研究センター シニアリサーチフェロー)による投稿ブログを以下にご紹介します。

8月27日金沢大学で開催された第43回エアロゾル科学・技術研究討論会総会において、木戸瑞佳さん(富山県環境科学センター)がエアロゾル計測賞を、森樹大さん(慶應義塾大学理工学部)が奨励賞を受賞いたしました。
木戸瑞佳さんの受賞テーマは「立山山麓における粒子状・ガス状成分の長期観測」で、「立山山麓という山岳・遠隔地において、粒子状物質およびガス状成分を対象とした12年間にわたる通年・連続観測を実施し、大気計測における長期データの価値と重要性を明確に示した。」功績によります。まさに継続は力なりで、木戸さんの粘り強い真摯な研究姿勢が認められたもので、我々、フィールド観測をしている研究者にとっても、とても誇らしい嬉しいものです。


兼保会長(本NPO理事)から受賞される木戸瑞佳さん(写真:原圭一郎)

森樹大さんの受賞テーマは「黒色炭素粒子(BC)およびサブミクロン帯電粒子の計測技術の開発とその実環境観測への応用に関する研究」で、「気候変動や健康影響に関わるエアロゾルの微物理特性について、高精度な計測技術の開発と実環境観測を通じて優れた研究成果を挙げてきた。」功績によります。大気電気学とエアロゾル科学の両分野を融合させ、サブミクロン帯電粒子の計測技術の開発とその応用に関する研究を進めており、将来が期待されます。


兼保会長(本NPO理事)から受賞される森樹大さん(写真:原圭一郎)

お二人の栄誉を讃え(魚に?)、懇親会の後に原圭一郎さん(福岡大学)、松木篤さん(金沢大学)のアレンジで「日本酒のおいしいお店でいい店 “みなと”」で盛大にお祝いをしました。参加者は集合写真のような17名です。松下さん(慶應義塾大学M1)もベストプレゼン賞を受賞され、一緒にお祝いしました。皆さんの近況報告もあり、とても楽しい会でした。また、来年もお祝いができることを祈って散会となりました。


金沢の銘酒20 あっ!という間に無くなりました(写真:三浦和彦)


前列:定永さん、鶴丸さん、2列目:西田さん、松下さん、椿さん、河原さん、3列目:清水さん、三浦、森さん、木戸さん、西川さん、3列目:原さん、松木さん、土屋さん、岩本さん、岩田さん、上田さん (写真:原圭一郎)

文責 三浦和彦

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3月20日の本ブログでお知らせしましたが、ACPM2027(2027 Symposium on Atmospheric Chemistry & Physics at Mountain sites 山岳における大気化学・物理に関する国際シンポジウム)のアブストラクトの締切が、2026年10月15日に決まりました。

ACPM2027は2027年4月13日から15日までスペインのテネリフェ島で開催され、
シンポジウム終了後の4月16日にはイサニャ大気観測所への視察が計画されています。

このお知らせは、この国際学会の日本代表を勤めておられる富山大学・青木一真教授からのご連絡に依るものです。詳しいことは「次の9月中旬?の会議にて…」とメールにありましたが、関心がお有りの方は是非青木先生までご連絡下さい。

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Kazuma Aoki, Prof., Ph.D. (青木 一真)
Faculty of Science, University of Toyama.
 3190 Gofuku, Toyama 930-8555, Japan.
 Tel. +81-76-445-6374
 E-mail: kazuma@sci.u-toyama.ac.jp
 URL: http://skyrad.sci.u-toyama.ac.jp/Aoki_lab/
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なお、前回のACPM2017は畠山史郎・富士山環境研究センター長(当時本NPO理事長)がChairpersonで御殿場・時之栖で行われたことを覚えておられる方も多いかと思います。

当時のブログなども合わせてご覧になって、参考にしていただければと思います。

(広報委員会)
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台湾訪問の記事として、「ワークショップ・記念式典」と「鹿林山観測所視察」の2つの記事を掲載しました。

鹿林山訪問の前日、台湾の主催者の一人から、
「明日、日の出を見たい人はいますか。来たときにちょうどきれいな日の出が見られることは滅多にありません。希望者は朝4時にホテルロビー集合です!」
と声をかけていただきました。

これは見逃せないと思い、日の出を見にいくことにしました。

実は台湾に向かう前の週、富士山頂でも美しい日の出を撮影していました。

その写真をワークショップでのプレゼンテーションの最後のスライドに使用したところ、
「台湾でも日の出を撮影できれば、あなたのプレゼンテーションが完璧になる!」
と勧められました。そう言われると俄然やる気が出てきます。

この記事ではその日の朝の様子を紹介するとともに、この場を借りてプレゼンテーションの最後のスライドを完成させたいと思います。

朝4時にホテルロビーへ集合し、4時30分発の阿里山駅発の登山列車に乗りました。周囲はまだ真っ暗で景色は見えませんでしたが、座席が埋まるほどの人が乗り込んできており、日の出鑑賞が人気のアクティビティであることが伝わってきました。

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  写真:早朝の阿里山駅1(撮影:村田理事)

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  写真:早朝の阿里山駅2(撮影:村田理事)

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  写真:阿里山登山鉄道(写真:村田理事)

到着したのは、小笠原山(標高2,488 m)の展望地です。小笠原山は1904年にこの地を訪れた日本人技師・小笠原富次郎にちなんで名付けられた場所で、中央山脈、玉山山脈、阿里山山脈を一望できます。晴れた日には嘉義平野まで見渡すことができ、日の出・夕日・星空の名所として知られる360度の大パノラマが広がる展望地です。

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写真:小笠原山観景台にて日の出を待つ人たち(撮影:村田理事)

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  写真:小笠原山観景台の説明看板(撮影:村田理事)

気象条件に恵まれないとなかなか見ることができないそうですが、幸運にも美しい日の出を撮影することができました。
小笠原山_ご来光_07270531
  写真:小笠原山からの日の出;7月17日午前5時31分撮影(撮影:村田理事)

帰りは整備された遊歩道を歩きながらホテルまで戻りました。夜明けとともに周囲の景色が次第に姿を現していく様子も印象的でした。

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  写真:帰りの遊歩道での一枚(撮影:村田理事)

最後に、このとき撮影した写真を使って完成させた講演の最後のスライドを掲載します。
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  図:ワークショップでの講演スライドの最後の一枚に小笠原山の日の出を追加(右)

富士山と台湾、それぞれの「ご来光」を並べることで、両地域の山岳研究がこれからさらに発展し、多くの共同研究へとつながっていくことを願っています。

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7-SEASワークショップに続き、2026年7月16日から17日にかけて、台湾の鹿林山大気背景観測所(Lulin Atmospheric Background Station: LABS)や周辺の現地視察に参加してまいりましたので、その様子をご紹介いたします。

阿里山から鹿林山へ

視察は台北から嘉義へ台湾高速鉄道、そして大型バスに乗り換えて阿里山方面へ向かうところから始まりました。阿里山では茶農園の現場や、阿里山森林生態系管理エリアを見学。阿里山の豊かな自然が育むお茶や景観を楽しみつつ、台湾が山でできた島であるという地理的な背景が実感できました。阿里山レクリエーションエリア内のホテルに宿泊し、翌日いよいよ鹿林山観測所へと向かいます。

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  写真:阿里山地域の景観(撮影:村田理事)


標高2,800mを超える観測施設へ

鹿林山大気背景観測所は、玉山国家公園内の標高約2,862mに位置する台湾を代表する高所大気観測拠点です。当日はシャトルバンで登った後、さらに山道を徒歩で登って観測施設に到着しました。

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  写真:観測所の前で。左は富山大・青木教授(台湾・国立中央大の学生さん撮影)


現地では研究者による案内のもと、観測施設や機器を見学し、技術的な説明を受けました。20年間にわたり観測を継続してきた運営体制やメンテナンスの工夫を間近で見ることができ、富士山測候所の今後の活動にも通じるヒントを多く得ることができました。

富士山との大きな違いは、標高が富士山よりは低いため、午後から完全に雲の中に入ることです。このため、午後からのエアロゾルの観測は難しくなると同時に面白くなるという話がありました。また、エアロゾルや水銀など国際的な大気モニタリングネットワークに参画していることも特徴で、各国と連携した測器が多くみられました。

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  写真:野外設置測器の説明の様子(撮影:村田理事)


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  写真:屋内設置測器の説明の様子(撮影:村田理事)


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  写真:山頂の天文台の望遠鏡も見学させていただきました(撮影:村田理事)


おわりに

観測所を後にした一行は塔塔加ビジターセンターを経由し、台中の国立台中歌劇院を見学したのち、台北へと戻り、今回の日程を終えました。

現地視察では、台湾の先生方・学生さん方は常に細かい気配りをしてくださり、おもてなしの手厚さに感激した旅でした。また、同行した海外の研究者たちも皆気さくで楽しい方達ばかりだったのが心に残っています。

現地の観測所を実際に自分の目で見ることで、資料や発表だけでは伝わらない運営の工夫や苦労を知ることができました。今回得られた知見を、富士山測候所での今後の活動や台湾のグループとの将来の共同研究などにも生かしてまいりたいと思います。

(広報委員会)
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