太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

カテゴリ: 地震火山


ANNnewsCHより

3月21日の各ニュース番組で内閣府・有識者検討会報告書として富士山が噴火した時にどう対応すればいいのか発表されました。


ANNnewsCHより

ここ100年間は噴火があっても小さなものしかなかったので、いつ大きい噴火があってもおかしくないこと。噴火した場合の被害として、火山灰によるものが大きいことに注意を喚起しました。
1703年の宝永噴火のような大規模噴火の場合、火山灰の被害は関東一円におよびます。


ANNnewsCHより

交通機関については、レールに0.5mm積もるだけで、鉄道は運行停止になり、3cm以上積もると二輪駆動の自動車は通行不可能になります。
それ以上の場合の被害はさらに甚大で、火山灰の堆積が30cm以上で緊急避難が必要になります。


ANNnewsCHより

しかし、首都圏でいっせいに地域外への避難は現実的はないこと、
「原則避難」として、30cm以下の地域も自宅などで生活継続が望まれます。
そのため、可能なら2週間部程度の備蓄をすすめます。


ANNnewsCHより

気象庁は3cm以上降り積もる予測の場合、警報として情報を発表するべきかどうかを春頃までに取りまとめる予定とのことです。

詳しいニュースの内容はこちらをご覧ください。

ANNnewsCH



TBS NEWS DIG



今後も富士山の噴火の対策に関する藤井理事の発言にご注目下さい。
(広報委員会)

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タモリ、“命に関わる”南海トラフ地震について注意喚起。
日本最大級の津波避難タワーにも登る

という惹句で示されたこの番組はタモリさん自身が高知へ出かけ、
25m津波タワーに登って取材し他意欲的なものです。



本NPOの長尾年恭理事は企画段階から協力して、内容にアドバイスを行っています。

テレ朝ポストから番組の内容を抜粋してご紹介します。

今後30年以内にマグニチュード8〜9クラスの地震が発生する確率が約80パーセントといわれている“南海トラフ地震”。
その被害は超広域に及ぶと推測され、最悪の場合、東日本大震災の約17倍、およそ32万人の死者が出ると想定されている。そんな巨大地震に我々はどう向き合うべきなのか。
今回の『タモリステーション』では、南海トラフ地震を“正しく知り”、“正しく恐れ”、“正しく備える”ため、その脅威と対策を専門家とともに2時間じっくり考えていく。
テレ朝ポスト(https://post.tv-asahi.co.jp/post-429200/)より



◆南海トラフ地震は“超広域災害”
九州、四国、関西圏や東海圏だけではなく、首都圏にも被害が及ぶと予測されている“超広域災害”南海トラフ地震。
テレ朝ポスト(https://post.tv-asahi.co.jp/post-429200/)より



◆昭和の“南海トラフ地震”にも注目
番組では、南海トラフ地震の歴史もひも解く。
実は、南海トラフ地震は過去、繰り返し発生しており、記録に残されている最古の684年(飛鳥時代)の“白鳳地震”以降、およそ100年~200年の間隔で起きていることがわかっている。
テレ朝ポスト(https://post.tv-asahi.co.jp/post-429200/)より

詳しい内容はテレ朝ポストを御覧ください。

(広報委員会)

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熊本県の阿蘇山で5月15日の早朝から火山性微動の振幅がやや大きくなっているとの事です。
阿蘇山では4月26日に噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引き下げたのですが、噴火警戒レベルが 2(火口周辺規制)に15日の午前中に再び引き上げられました。中岳第一火口から概ね 1km の範囲で、噴火に伴う大きな噴石及び火砕流が到達する可能性が指摘されています。
阿蘇は活発な活火山であり、過去に日本最大級の噴火(破局噴火と呼ばれています)を引き起こしています。本ブログではこの破局噴火についても解説したいとおもいます。

破局噴火は、地下のマグマが一気に地上に噴出する壊滅的な噴火形式を表す用語です。地球規模の環境変化や大量絶滅の要因と考えられています。なお正式な学術用語としてはウルトラプリニー式噴火(英語: Ultra Plinian)と呼ばれています。この噴火では大規模なカルデラの形成を伴うことから、カルデラ噴火とも呼ばれています。
「破局噴火」という言葉は、もともと作家の石黒耀が2002年に発表した小説『死都日本』の中で使用した造語でした。この小説は石黒氏の処女作で、メフィスト賞、日本地質学会表彰、宮沢賢治賞奨励賞等を受賞されています。
作中の設定では、南九州の加久藤カルデラが約30万年ぶりの超巨大噴火を起こし、火山噴火予知連絡会はこれを「じょうご型カルデラ火山の破局“的”噴火」と発表したのですが、NHKの臨時報道番組のキャスターが「破局噴火」と間違えて連呼したという設定になっています。
この『死都日本』は現実の火山学者からも超巨大噴火をリアリティーを持って描いた作品と高く評価され、「破局噴火」は作中用語という枠を越えて、実際に起きた(そして将来起きるであろう)そのような大噴火を表す言葉として一部の火山学者やマスコミ報道で使われるようになりました。
特にこの小説を評価したのが、富士山研究で有名な小山真人さんです(現在静岡大学名誉教授)。2003年には「破局噴火」をテーマにしたシンポジウムも開催されました。

このシンポジウムの特集号は月刊地球2003年11月号として海洋出版から刊行されました。

巻頭言が小山先生によって書かれていますが、これは全文をウェブで読む事ができます。

ちなみに阿蘇山は最近では2021年10月20日に火砕流を伴う噴火が発生し、噴煙が最高で火口縁上 3,500m まで上がり、気象台は5段階ある噴火警戒レベルを2から3に引き上げた事がありました。
近年は観測網も充実し、火山性微動等のレベルも常時監視されていますが、噴火規模の正確な推定はなかなか困難であり、気象台や自治体が発表する情報に留意して観光を行って欲しいと思いま す。

気象庁では三宅島や浅間山等とともに、阿蘇山にも複数の監視カメラを設置しており、 全国の火山の映像を確認する事が可能です。
次の写真は阿蘇山・南阿蘇村の監視カメラの映像です。各地の火山で、このような映像を確認する事ができます。

時にはこのような映像にアクセスされ、生きている地球を実感して頂ければと思います。

(文責:長尾年恭)

(広報委員会)
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3月9日(土)正午、東海テレビにて「野口聡一のBOSAIステーション ミライへのきぼう」が放送され、本NPO鴨川専務理事(静岡県立大学地域グローバル地域センター 自然災害研究部門特任教授)が出演しました。

「“カギ”は宇宙に!?能登半島で得られていた興味深いデータが…?困難と思われた地震の「予測」に人工衛星で挑む研究者も!」と題して、鴨川専務理事が開発に関わっている「人工衛星プレリュード(Prelude)」がテレビ初公開されました。


人工衛星プレリュード(Prelude)は、日本大学理工学部 航空宇宙工科 山崎政彦研究室と静岡県立大学の鴨川仁先生との共同衛星プロジェクトで、2025年度打ち上げに向けて、地震に先行する電離圏変動現象の検知・検証衛星”PRELUDE”の設計・開発に仏)大気環境宇宙観測研究所と共に取り組んでいます。

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 東海テレビ「野口聡一のBOSAIステーション ミライへのきぼう」より
地震の発生予測の1歩に向けた基礎研究のための人工衛星で、その大きさはおよそ30cmx20cmx10cmの超小型衛星。宇宙では2つのセンサーが開き長さ3m以上になり90分かけて地球の高度およそ550kmを周回します。

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 東海テレビ「野口聡一のBOSAIステーション ミライへのきぼう」より

去年4回目のチャレンジでJAXAの公募を通過、2025年度エプロケットに搭載され宇宙まで飛び立つ予定です。
現在は開発途中で、完成まではまだ3割ほどの段階です。
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 東海テレビ「野口聡一のBOSAIステーション ミライへのきぼう」より
地震の先行現象と思われている宇宙の入口の高度100kmより少し下の部分の電気的変化をキャッチするのが役目。

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 東海テレビ「野口聡一のBOSAIステーション ミライへのきぼう」より

上空の電離圏と呼ばれる層に地上から届く電波が地震が発生する4時間前から弱まっていたというフランスの研究に着目し、地震の先行現象として予測にもつがるのではと睨み電離圏の電波強を2年間詳しく観測します。

【告知】宇宙飛行士の野口聡一さんと俳優の寺田心さんと学ぶ「BOSAIステーション」




野口聡一のBOSAIステーション ミライへのきぼう
日本大学理工学部航空宇宙工学科 山﨑研究室


今後の展開が楽しみなプロジェクトです。
こちらの「X」に最新情報が掲載されいます。

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 2024年2月27日以降、房総半島沖合でまとまった地震活動が開始しました。

 過去のこの地域の地震活動を調査してみると、2024年は、① 繰り返されるスロースリップ・イベントの中期的なインターバル(間隔)と②M6.5前後の地震発生の長期的なインターバル(間隔)とが重なる周期の年になる可能性があります。(下図①と②の2つの周期)

  ①は周期5~6年で繰り返されるスロースリップイベント。

  ②の現象は、再来周期37~38年程度の長いスケールで繰り返される地震活動。
 実は房総半島沖では過去にはタイムスケールの違う2種類①②の地震活動が発生していたのです。

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 国土地理院はスロースリップがどこで、どの程度の規模で発生しているかについて、3月1日に発表を行ないました。

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 スロースリップという現象は、1995年に発生した阪神淡路大震災をきっかけに全国に整備された高感度微小地震観測網(Hi-net)や GPS 連続観測システム(GEONET)の稼働により、数多く発見されるようになりました。そして、巨大地震発生の鍵であろうと今では考えられています。  房総沖では、北米プレート・フィリピン海プレート・太平洋プレートが複雑に重なり合っており、それぞれのプレートが独自に動き、境界がずれる事により地震が発生します。この時、境界がゆっくりずれると、いわば体に感じない地震が発生します。これがスロースリップなのです。

 房総沖では、この現象が数年間隔で発生している事がわかっています。これまでの観測で、房総沖のスロースリップ・イベントは平均 6年間隔で発生しており、最新のイベントは2018年6月に発生していました。

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 房総沖のスローイベントは、これまで、1996年5月、2002年10月、2007年 8月、2011 年10月、 2014 年 1月、2018年 6 月の6回が観測されていました。それぞれが 2 年から 6 年あまりの間隔で起き てており、今回の 2024 年2月の活動となりました。ちなみに前回のイベントから5年8ヶ月(68ヶ月)ぶりの発生とな りました。

 2011年10月のイベントと、2014年1月のイベント間隔だけ、特に27ヶ月と短いのは、東日本大震災の発生により、房総半島周辺の応力場(歪の分布)が変化したためであろうと推測されています。

もう一つの周期性(37年~38年という周期の地震活動の存在?!)(長期的な周期性② )

 房総半島沖合では、非常に特徴的な地震が一定の間隔で繰り返されてきました。

 それは、1912年、1950年、1987年に発生したマグニチュード6.5前後の地震で、特に1987年に発生した地震は「千葉県東方沖地震」と命名されており、 死者 2人、負傷者144人、住宅全壊16棟、半壊102棟、一部破損 6万3692 棟、山地崩壊 102箇所といった被害が発生しました。

 1950年や1987年の段階では、GPS 地殻変動観測はまだ行われておらず、スロースリップとの関係は不明ですが、理論的な推察として、当時からスロースリップが発生していたと考えるほうが、日本列島の地震活動を考える意味で自然かと思われます。

 仮説として、房総半島沖合では、スロースリップが6~8回発生すると、マグニチュード6.5前後の被害を生 じうる規模の地震が発生するのかもしれません。すでに1987年から37年が経過しており、これは看過できない状況と考えます。

(文責:長尾年恭)


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