太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

カテゴリ: 地図

国土地理院では過去に起きた津波や洪水などの自然災害の教訓を後世に伝えるため、「自然災害伝承碑」というウェブサイトを作成しています。含まれているのは洪水、土砂災害、高潮、地震、津波、火山災害とその他となっており、2024年5月末日の時点で全国610市区町村2,115基となっています。


上のページに詳しい見方や解説や活用例等が示されています。

また「地理院地図で見る」をクリックして頂くと、伝承碑の分布は次のように地図上に示されます。

災害伝承碑

たとえば富士山南西側の矢印の石碑のマークをクリックしますと、以下のような画面が現れます。

宝永関係

自分の街だけでなく、観光や出張等で他の地域を訪れた際には、このようなマップも参考にして、訪問してみるのも良いのではないでしょうか?

(広報委員会)
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富士山測候所を活用する会では、ウェブサイトにて寄付を募っています。主旨や活動にご賛同いただけましたら、ぜひご支援をお願いします。

また、会員を募集しています。
会員特典として、会報誌『芙蓉の新風』(年1回発行)の送付、富士山頂郵便局スタンプ付きの暑中見舞いをお送りするなどの他、ウェブサイトの会員限定ページでは、山頂からのライブカメラ画像のアーカイブをはじめとするコンテンツをご覧いただくことができます。

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田中写真
 田中義朗理事

総会後、田中義朗(たなか よしろう)理事による特別講演会を行います。

演題:
富士山チャレンジの取組 
〜富士山登山者動態データの取得と利活用デザイン〜

「毎シーズン20万人を超える多くの登山者が訪れる富士山ですが、その登山者の行動実態はほとんど把握されていません。
7割以上の登山者が初めての富士登山だったり、外国人登山者の急増により、登山者の道間違い、遭難事故が多発する傾向にあります。

また近年各地の観光地で問題になっているオーバーツーリズムですが、富士山でも御来光時の山頂付近の大混雑が発生し、様々な安全上の問題が発生している状況にあります。

富士山チャレンジでは、それらの問題解決の基本となるすべての登山者動態データをリアルタイムに収集する共に、登山道、気象などのデータと組み合わせて安全登山へ生かす方策を考えています。まだまだ実現までにはほど遠い状況ですが、
その可能性の一端をご紹介できればと考えています。」

日時:6月8日13:50-14:30 (総会終了後)
場所:ハイブリッド開催
(1)     オンライン参加(Zoom):
https://us06web.zoom.us/j/84729550501?pwd=y9n6kzBooHdWsjWuWqKmVX1bj3uv6k.1
ミーティング ID: 847 2955 0501、パスコード: 731668
(2) 会場:連合会館502会議室(定員45名)(13:00 〜 17:00予約)
     東京都千代田区神田駿河台3-2-11

※会場参加をご希望の方は事務局までお問い合わせください。
認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 東京事務所(事務局)
TEL:03-6273-9723
E-mail:tyo-ofc@npofuji3776.org


田中理事は一般社団法人 富士山チャレンジプラットフォーム 代表理事で
日本工営株式会社 事業戦略本部官民連携室 シニアスペシャリスト 
 
以前本ブログで富士山チャレンジについご紹介しましたが
「富士山における登山者・観光客の安心安全システムの社会実装を目指し、様々な現地実証を通して登山にかかる課題解決に寄与することを目的とし」
財団法人「富士山チャレンジ」代表の田中義朗理事の楽しく有用なお話が期待できます!!
多くの方のご参加をお待ちします。

(広報委員会)
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富士山測候所を活用する会では、ウェブサイトにて寄付を募っています。主旨や活動にご賛同いただけましたら、ぜひご支援をお願いします。

また、会員を募集しています。
会員特典として、会報誌『芙蓉の新風』(年1回発行)の送付、富士山頂郵便局スタンプ付きの暑中見舞いをお送りするなどの他、ウェブサイトの会員限定ページでは、山頂からのライブカメラ画像のアーカイブをはじめとするコンテンツをご覧いただくことができます。

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富士山チャレンジおなじみの田中義朗理事の投稿ブログを
以下にご紹介します。

画像1
図1 航空レーザー測量の計測イメージ【国土地理院ウェブサイトより】

 本NPO活動の通勤路でもある「富士山登山道」をテーマに話をします。
 まず富士山の登山道を簡単に整理してみると、古代から中世までの修験道から、近世の富士講から現代に続く近代的な観光登山へと様々な時代背景のなかで変遷しています。その中で山頂へと続く「登山道」がいくつか啓かれ、社会環境変化による盛衰の結果、現在の4つの登山道として確立されました。現在の登山道は、道路の管理上「公道」(=県道)としての扱いとなっており、静岡、山梨の両県の道路管理部署が維持管理を担っています。また富士山ならではの事情により県境が確定されていない山頂部の登山道(周回線歩道:通称お鉢回り歩道)については環境省が管理しています。
 次に登山道マップですが、古の富士山登山の様子を描いた絵図で有名な「富士曼荼羅図」や江戸期の近世に描かれた山頂付近の絵図など、登山道やその周辺の地形の様子がリアルに表現された立体図(鳥観図)から始まっています。これらは、測量に基づいた「地図」ではありませんが、当時の絵師達が実際に観察し想像して描いたであろう3次元的登山マップであり、実際の富士山登山道の険しく荒涼とした雰囲気を伝えるには十分有効な地図情報だったといえます。

図2修正
  図2 航空レーザー測量データによる精密三次元地形図
【彩色立体地図:吉田口登山道山頂付近】

 近世以降は測量技術を用いた伊能図からの変遷を経て、国家的な地図作成プロジェクトとして陸軍陸地測量部を前身とする国土地理院に引き継がれた地形図(2万5千分の1)が作成され、そこに登山道も付帯情報として記載されています。現行の富士山登山道マップの多くはこの地理院地形図を元図にしてルート情報や山小屋位置(トイレ)が記載されたものや、区間単位での標準コースタイムが書かれているものが作成されています。しかし、登山初心者が大半を占める富士登山では、登山道マップをしっかり見て登山することがあまり浸透していないようです。その理由として、地形図の等高線から高低差をイメージしづらいことや登山道の詳細な地形情報が地図に十分反映できていないことも一因かと思われます。
 実は近年デジタル技術の発達に合わせて、地形測量技術も大幅に進化しており、富士山登山道マップが劇的に進化する可能性が高まっています。それは静岡県が2020年に計測作成した最新の航空レーザー測量技術を使った精密三次元立体地図で、航空機から地表面にレーザーを照射して、それらの点の3次元座標から地形計測・図化する技術です。これにより3次元空間上で山の地形と登山道の位置関係をわかりやすく表現することや、登山道の歩きやすさに関わる路面の凹凸度(岩場か平滑な道か)や、道幅・勾配の変化を数値化することが可能となります。それらの情報は登山者にとって登山の計画準備だけでなく、危険場所の把握による遭難事故の低減や、事故発生時に発生位置の特定や共有などの初動対応に役立つ情報になることが期待されます。

画像3
図3 航空レーザー測量データによる精密三次元立体図
   【3D立体図:剣ヶ峰・山頂全体】

現在山梨県富士山科学研究所が中心となって、精密三次元立体地図を活用した吉田口登山道でのデジタル管理のための取組を始めています。今後富士山の全登山道にも展開して、安全安心な登山の環境づくりが進められることに期待しています。
 (文責:田中義朗)
 
これまでにない新しい見地からのブログはいかがだったでしょうか?
(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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