太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

カテゴリ: 高所医学


 山本正嘉『登山と身体の科学』(講談社ブルーバックス)

「科学的に効率よく登れば、疲れない、怪我しない。痛くない,身体も心も整える」と帯に書かれたこの本は、鹿屋体育大学における40年間のアスリートの競技力向上を目的とした研究の傍ら、ヒマラヤやアンデスでの初登攀の記録を持ち、日本山岳グランプリに輝く著者の集大成とも言えるものです。

「科学をあなたのポケットに」と言われるブルーバックスですが、決して「軽く」ない充実した内容です。著者自身が経験し、計測したデータが満載で、これ一冊読めば登山について相当の知識が得られます。

(目次)
第1章 登山とはどのような運動か
第2章 山での疲れにくい歩き方
第3章 山での栄養補給の方法
第4章 環境の影響から身体を守る
第5章 山で起こる身体のトラブルを防ぐ
第6章 体力トレーニングの考え方と方法
第7章 登山計画の立案と身体面の準備
第8章 安全登山の仕組みづくりとセルフチェック

登山はジョギングと同じくらいの有酸素運動、登山とウォーキングは正反対の運動、酸欠は意識呼吸でカバーする、山で起こる4大身体トラブル、トレーニングをやっても役に立たない場合、・・・などなど、目からウロコの知識が的確なデータとともに丁寧に書かれています。(数年前にこの本があればどんなに楽だったでしょう!と思う人も多いかと思います)富士登山についての言及もあり、第4章の「富士登山と低酸素の影響」は本NPOでの研究結果がまとめられています。

内容が多いため図表が小さいのが欠点といえば欠点です。まず、拡大鏡を用意して読みましょう。

2024年5月20日に発売され、7月18日にはすでに4刷りが出されたこの本は、山へ登る初心者には必携です!登山者だけでなく、日常の動きが緩慢になっている高齢者が地上で生きてゆくのにも役に立つと思われます。

ご購入はこちらから
https://npofuji3776.org/museum/book.html
この夏、おすすめの1冊です。
(広報委員会)

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